与論空港がある与論島は鹿児島県最南端の島で、鹿児島新港から南に594km、沖縄本島から北に23kmと沖縄に近い位置にある。
珊瑚礁が隆起してできた島であり、面積は約21km2、周囲は約24km※1と車なら1時間程度で1周することができる小さな島である。
与論空港は島の最西部海岸沿いに建設され、北西(南東)方向に伸びる長さ1,200mの滑走路がある。現在の就航路線は3つあり、出発は鹿児島便と那覇便、到着は鹿児島と那覇、奄美大島からの便が運航している。
運航は日本エアコミューターと琉球エアーコミューターの2社がプロペラ機で行なっており、一部の便はANAコードシェアとなっている。
2022年の年間旅客者数はおよそ7万人※2で、鹿児島県内にある8空港のうち7番目の規模である。2019年には7.8万人を記録したが、その水準まで未だ回復できていない状態が続いている。
島の周囲に広がる紺碧の海をはじめ、干潮時のみ出現する百合ヶ浜や圧倒的な星空など豊富な観光資源を有する与論島。小さな島にも関わらず空港があるアドバンテージを活かせるか、2024年4月の与論空港をレポートする。
空港概要
ギリシャを思い起こさせる空港
与論空港の正面にあるモニュメントはまるでギリシャにある建造物のようで、多くの観光客が記念撮影を行なっている。
というのも、与論島はギリシャのミコノス島と姉妹都市で、街中にも「ミコノス通り」と名付けられた道路まである。
旅客ターミナルビルは全体的に年季を感じられるが、白を基調に、”ヨロンブルー”とも呼ばれる青いカラーが差し色として使われている。
空港にアクセスする路線バスはないので要注意
与論空港に乗り入れている路線バスは現在ないため、空港利用者はレンタカー・タクシーを予約するか、宿泊施設の送迎を依頼しておく必要がある。
空港内にレンタルサービスを提供するブースもないため、空港到着前に予約しておくことが望ましい。また、タクシー会社も島内に1社しかないため、空港から先の移動手段の確保は必須と言える。
施設容量がひっ迫間近
世界各地でオーバーツーリズムが問題になる中、与論島もその潜在的なリスクが潜んでいる。豊富な観光資源を持つ一方で、空港の施設容量はこの時期でさえ不足している感が否めない。
手荷物受け取り場に収まらない旅客数、数台しか止められないカーブサイド、座りきれない搭乗待合室などすでにいくつか問題が散見される。
空港利用者が徐々に回復する中で旅客ターミナル施設の増改築および運営改善が必要となるだろう。