『Airport Report』種子島空港 Apr,2023

Reports

種子島空港は、鹿児島県本土から南の方向に約40kmの地点に位置する種子島の中央部にある空港。島の南部にはJAXA種子島宇宙センターがあることから「ロケットの島」とも呼ばれている。

元々は現空港の場所から8kmほど南下した中種子町に建設されたが、航空需要の高まりを受けて移設された。ジェット機の離発着に対応できるよう滑走路は2,000mとなり、鹿児島県の離島では徳之島、奄美に次いで3番目のジェット機対応空港となった。

「コスモポート種子島」という愛称があり、宇宙を意味する「コスモ」と港を表す「ポート」を組み合わせて名付けられた。

年間旅客者数は1990年頃に約22万人を記録していたが、鹿児島本土を結ぶ高速船の登場により激減。2021年の旅客者数は約5万人に留まっており、現在の就航路線は鹿児島便が1日4便※1、繁忙期のみ大阪(伊丹)の臨時便が運航されている。

世界的な盛り上がりを見せる宇宙産業の後押しで、再び旅客を取り戻すことができるのか。日本で宇宙に一番近い島にある種子島空港をレポートする。

※1 2023年4月19日時点

空港概要

鹿児島県・種子島空港 -Tanegashima Airport-

離島空港とは思えないターミナルビル

島の人口が約3万人、空港利用者数は年間5万人とは思えないほど立派な建物がある空港。オフィスビルのようなガラスのファサードが印象的だ。台風が来ても吹き飛ばされる心配がないくらい丈夫な造りとなっている。

ターミナルビルの中はコンパクトに仕上げられ、空港運営に必要な機能とスペースが設けられている。施設の面積は広くなく、見送り客が数組いるだけで施設内は人でいっぱいになるほどだ。

宇宙コンテンツが充実

ターミナルビル内にはJAXA種子島宇宙センターのギャラリーやロケットの模型、売店には宇宙食が販売されているなど種子島らしさを感じられる。

先端テクノロジーが活用される宇宙業界がある一方で、空港内のテクノロジー活用は進んでいない。フライト情報はアナログの掲示板、観光案内情報もチラシやパンフレットと十数年前からほとんど変わっていない様子が窺える。

日曜・祝日は空港バスの運行なし

日曜または祝日に種子島空港を利用する際、気を付けておきたいことは空港と集落をつなぐバスの運行がないということだ。平日や土曜は1日4便、フライト時刻に合わせて運行されているが、日曜・祝日はお休みだという。

ロケット発射やサーフィンの大会などイベントごとがある時期はレンタカーの手配も難しくなるため、空港を利用する際はご注意いただきたい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました