沖永良部空港は、奄美大島と沖縄本島のちょうど中間に位置する沖永良部島にある。奄美群島を構成する島の1つである沖永良部島は、珊瑚礁が隆起してできた島で、面積は約94km2※1、人口およそ1.1万人※2の小さな離島である。
沖永良部島へのアクセスは空路と船路があり、空路は鹿児島空港、那覇空港、徳之島空港から1日数便が往復している。また、船路は鹿児島新港、那覇港、奄美大島の名瀬港からそれぞれ運航がある。空路なら約1〜1.5時間、船路なら約6〜7時間でアクセスできる※3。
沖永良部空港は、島の最北端に建設され、長さ1,350mの滑走路を有する。海岸沿いにあるため、周囲の青い海と離発着するプロペラ機が南国の離島らしさを演出している。
2022年の旅客者数は9.5万人※4と奄美群島にある他の空港と比較すると小規模な空港である。ビジネス客もまばらで、主には観光客や県民の移動拠点として使用されている。
今後、奄美大島や徳之島と同様に、島の発展と開発に合わせて利用者が急増していくのか、2024年4月の沖永良部空港をレポートする。
※4 国土交通省 空港管理状況
空港概要
鹿児島県・沖永良部空港 -Okinoerabu Airport-
「花の島」にある空港
沖永良部島は別名「花の島」とも呼ばれるほど、春頃から夏にかけて島全体が花に覆われる。代名詞でもあるテッポウユリは、この島では「えらぶゆり」とも呼ばれる。
沖永良部空港もまた、愛称として「えらぶゆりの島空港」と名付けられており、島民らの花を愛する気持ちが伝わってくる。
こじんまりとした綺麗なターミナル施設
沖永良部空港はとても小さな空港で、チェックインカウンター、保安検査場、レストラン、売店などすべてが必要最低限の数で運営されている。
ターミナル内は清掃が行き届いており、カートや車椅子、ゴミ箱に至るすべての設備・機器がきれいに整頓されており、空港スタッフの心意気を感じさえする。
慌ただしさとは無縁の空間
空港内外を見てまわる中で、急いでいる人や慌ただしく何かをしている人をほとんど見かけることがなかった。
大きな空港になればなるほど、旅客もスタッフも時間に追われ忙しくしている光景をよく目にするが、ここは正反対の空港だった。
これもまた空港という場所の面白さなのだ。