日本屈指の観光地である沖縄県。令和5年度の観光客数は約850万人と年度では過去5番目※1の多さになるという。
同様に那覇空港も日常を取り戻しており、国際線においては3月末に釜山便が再開、4月初旬にはバンコク便が4年ぶりに定期就航するなど海外からの観光客も回復しつつある。
パンデミックの真っ只中に供用開始した2本目の滑走路も稼働しており、沖縄県域の玄関口として重要な役割を果たしている。
観光客が戻り、経済的な恩恵を受ける一方で、空港施設の処理能力には課題が残る。特に駐車場やLCCチェックインカウンター、保安検査場はピーク時には大混雑となる。
本格的なシーズンを前に混雑対策の準備をどこまでできるか。パンデミックを経ておよそ3年ぶりに訪れた那覇空港をレポートする。
空港概要
活気が戻りつつある那覇空港
那覇空港には活気が戻ってきている。パンデミック中に新しくできた国際線連絡通路(ゆいにちストリート)は以前はシャッター通りと化していたが、いまは買い物を楽しむ客が多く見られた。
春の大型連休期間ともありカーブサイドにはバス待ちやレンタカー利用客が長い列を作っている。送迎車専用レーンも空きスペースがないほど車列が続いており、観光地としての姿に戻りつつある。
着々と改修工事が継続中
施設や設備機器の更新タイミングと重なっていることもあるが、那覇空港は常にどこかの大型改修工事が行われている。
3年前は3階チェックインロビーで、今回は2階出発フロアのウェルカムホールに足場が組まれ工事が進行中。
継続的な設備投資ができるということは、空港が多くの人に利用されている証であり、那覇空港の経営的な順調さを垣間見ることができる。
嵐の前の静けさか
パンデミックを経て旅客者数は回復基調にある那覇空港だが、旅客処理が追いつかない問題に直面している。
出発ピーク時は、空港の駐車場は満車状態が続き、LCCチェックインカウンターや保安検査場は長蛇の列をなしている。拡張スペースがないことや慢性的なスタッフ不足など解決すべき課題は山積みだ。
世界中でオーバーツーリズムが叫ばれる中、果たして数ヶ月後の本格的なシーズンを乗り越えることができるのだろうか。
アジア有数のハブ空港を目指す那覇空港の真価が問われる日々が始まろうとしている。