鹿児島県の薩摩半島と大隅半島のちょうと分かれ目に位置する霧島市にある鹿児島空港。北東の方角へ約30kmのところには韓国岳や高千穂峰など霧島の山々がそびえ立ち、空港の旅客ターミナルビルからも美しい景色を見ることができる。
北西・南東方向に伸びる3,000mの滑走路には、国内外から多くの飛行機がやってくる。国内の主要経済圏の路線に加えて、鹿児島県の離島への路線も数多く就航しており県民の重要な交通拠点となっている。
2021年の旅客者数は243万人(国内線のみ)で、九州では福岡空港に次いで、日本全国では第9位にランクインしている。近年は博多から鹿児島市街地への新幹線開通に伴い空港利用者はやや減少したものの、東名阪からの航空需要は変わらず推移している。
また、英国の航空専門レーティング会社Skytrax社による2023年版・世界の国内空港ランキングでは第7位※1に入るなど名実ともに日本屈指の空港になりつつある鹿児島空港(国内線ターミナルビル)をレポートする。
空港概要
鹿児島県・鹿児島空港 -Kagoshima Airport-
展望デッキから見る霧島連山
天気が良ければ展望デッキから望む霧島の山々はとても美しい。連なる山々を背景に旅客機を撮影すれば誰でも素敵な一枚が手に入るだろう。
ただし、展望デッキの転落防止ワイヤーの設置具合が撮影を想定していないため画角によっては撮りにくいこともある。また、撮影用にアクリル板になっている箇所もあるが、反射による写り込みがあり工夫が必要になることなど、改善を希望する点は多い。
足湯とさつま揚げでひと休み
温泉処とあって鹿児島空港には源泉掛け流しの足湯スポットがある。到着フロア(1階)を出て、バスやタクシー用のカーブサイドに設置され、朝9時〜夜7時半まで無料で開放されている。
温泉の温度は高くないものの、長く浸かっているとじわじわと温まってくる。一度に20名程度しか入れない小さな施設だが、旅の疲れを癒したり、思い出にはいいかもしれない。おそらくここでしか購入できない限定タオルが近くの自販機で売られており旅の記念にもなりそうだ。
また、到着フロアにある売店では揚げたてのさつま揚げを1個から購入できる。足湯に浸かりながら温かいさつま揚げを食べるのもおすすめだ。
マーシャラーが目の前に
「マーシャラー」という空港の業務をご存じだろうか。到着した航空機を正確な場所に誘導するために、両手にうちわのようなものを持ち、パイロットに手信号で合図を送る業務だ。
鹿児島空港の出発ラウンジでは間近にその業務を目にすることができる。旅客が待つターミナルビルにマーシャラーの立ち位置があり、ガラス張りの窓からその様子を見ることができる。
羽田空港や成田空港といった大規模な空港では、テクノロジーが導入されマーシャラーの業務がなくなりつつある。ここ鹿児島空港でも、いずれは「昔あった業務」となる日が来るかもしれない。