自衛隊と民間航空の共同飛行場である小松飛行場(通称:小松空港)。2021年は共同飛行場となってから60周年を迎える。長年、石川県を代表する都市・金沢への玄関口として機能を果たしてきたが、2015年北陸新幹線の開通により旅客数は激減。追い討ちをかけるようにパンデミックが発生。苦境にあえぐ2020年8月の小松空港をレポートする。
空港概要
石川県・小松飛行場(小松空港) -Komatsu Airport-
東京〜金沢間は新幹線より早くて安い!?
東京〜金沢間の移動は、場合によって飛行機を使った方が早く安く済むこともある。出発日が90日以上前であれば羽田〜小松間の飛行機チケットは片道1万円を切る。小松空港から金沢駅までシャトルバスは1,150円。つまり東京〜金沢が片道1.1万円で収まる。
他方、新幹線の場合、東京駅〜金沢駅は片道およそ1.4万円。また、新幹線(かがやき)の所要時間は約2時間30分に対し、飛行場は羽田〜小松が約1時間、小松〜金沢のシャトルバスが約40分。空港での搭乗前にかかる時間を考慮したとしても、飛行機を使う方が早くお得に行けることもある。
最近は飛行機内でもインターネットが完備されており、地上と空の制約レベルも解消されつつある。金沢への移動が早くから決まっている場合は、小松空港を利用するのも選択肢のひとつに入れておきたい。
背伸びせず石川県の名産品で勝負
コンパクトに収まったターミナル施設内には、石川県を代表する食品や伝統工芸品が充実。日本海で獲れる海の幸を生かした名産品のほか、地酒など大人を魅了。また日本を代表する色絵陶磁器である九谷焼も品揃えが豊富。長時間楽しめるほどの広さはないが、ちょっとした手土産を探すには適度な施設となっている。
ただし、保安検査通過後の出発待機エリアにはこじんまりとした売店しかないため、保安検査前のショップで買い物をするのがおすすめ。飲食店も同様に、ゆっくりと豊富なメニューから選びたい場合は、保安検査前に利用するほうがベターと言える。
北陸地方が誇る美しい山々を展望デッキで
小松空港の展望デッキには見送り客のほか写真家が場所を陣取る。というのも、天気が良ければ滑走路越しに霊峰白山をはじめとする北陸地方の美しい山々を眺めることができるためだ。
滑走路を飛び立つあるいは降り立つ飛行機と共に、聳え立つ山々をバックに納める構図は写真家にとっては魅力的な1枚となりそうだ。
国際航空貨物の輸送拠点として期待
空港は旅客輸送以外にも我々の生活において不可欠な機能を果たしてくれている。あまり知られていないが小松空港に関しては日本海側の国際航空貨物の拠点として重要な役割を担っている。
ヨーロッパのルクセンブルクやアゼルバイジャンの首都バクーのほかに、アメリカのシカゴやソウル、上海、香港、台湾といった都市と貨物ネットワークを構築しており、国際貨物の取扱ランキングでは国内8位(2019年)を誇る空港でもある。