国内のみならず海外からも多くのゲストが訪れる沖縄県の石垣島。人口およそ5万人※1の島に、ピーク時は年間約150万人弱の観光客※2がやって来る日本でも有数の観光地である。
石垣島の玄関口である石垣空港は、沖縄県内では那覇空港に次ぐ旅客者数を誇り、全国では第15位にランクインする空港だ。2019年には年間旅客者数261万人と過去最高を記録している※3。
2013年から供用開始した国内線旅客ターミナルは、小さな離島とは思えないほど立派な建物で、人気の旅先であることがよくわかる。
また、国際線旅客ターミナルも2022年にオープンし、旅行需要の回復を見ながら順次活用を進めているというが、保安検査などの受け入れ体制が構築できないという内部課題もある※4。
本格的なシーズンの到来を前に、急成長中する2024年4月の石垣空港をレポートする。
空港概要
旅客ターミナル施設を順次拡張中
2022年に国際線ターミナルが新設され、2つのゲートが新たに追加されている。合わせて、エアサイド(旅客機が駐機する)側から見た石垣空港の標識も刷新され、黒背景に白文字と視認性の高いデザインが採用されている。
国内線ターミナルに隣接しているため、乗り継ぎもスムーズかつ短時間ででき、石垣経由で那覇や宮古、あるいは福岡、大阪、名古屋、東京といった大都市へもアクセスが容易になる。
豊富な観光資源に恵まれ、ジェット機に対応できる滑走路を有し、国内主要都市へ多くの路線がある石垣空港は、今後も成長していくに違いない。
運用課題が残る国際線
海外から石垣空港への定期便就航ニーズの高まりから、数年前に国際線旅客ターミナルが新しくオープンしている。開始当初はパンデミックの影響も残っていたことからチャーター便による運航のみであった。
最近は海外からの旅行需要も回復しており、国際線の稼働を高めたいところだが、運用面で課題があるという。CIQや保安検査など旅客処理の人員が不足しており、定期便などの運航を進めたいが進められない状況にある。
閑散としたピカピカのターミナル施設になんとも言えない寂しさを感じる。
混雑必至の二次交通接続
石垣空港の大きな課題のひとつが空港から市街地へのアクセスだ。繁忙期になると空港前のカーブサイドは人で溢れ返り、バス停には長蛇の列ができる。
路線バスでよく使われる車両に、大きな手荷物を持って乗車する旅客も多いことから車内の狭さは尋常ではない。さらには、満員で次のバスを待つことになるシーンも多発している。
梅雨が明けた本格的なシーズンまでに二次交通機関の利便性は果たして解決されるのだろうか。急成長する観光産業にとって空港の役割は重要課題であり、今後の改善を期待したい。
[出典]