『Airport Report』伊江島空港 Sep,2021

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沖縄県北部の伊江島にある伊江島空港。定期便をはじめ航空機の離発着は行われておらず、緊急時のヘリコプター輸送の拠点として活用されている。1階建てのターミナル施設はシャッターが閉じられており廃墟かと思うほど老朽化が進む。島の西側には米軍の訓練施設や演習場があるため、伊江島空港の運行にはさまざまな制限が設けられており、すぐには再開することは難しい状況でもある。基地の受け入れによる国からの補助金や民泊ビジネスが島民の生活基盤を良くする中で、伊江島空港の運命は存続か廃港か。2021年9月の伊江島空港をレポートする。

空港概要

沖縄県・伊江島空港 -Iejima Airport-

昭和52年以降、定期便の運航は休止中

伊江島の中央に位置する伊江島空港は、昭和50年に開催された沖縄国際海洋博覧会の関連事業として供用を開始。しかし2年後には利用客がほとんどいなくなり定期便は現在まで運航を休止している。滑走路脇にはヘリコプターが常駐しており、緊急時に沖縄本島への搬送拠点として利用されている。

ターミナル施設への扉は閉ざされているが、事務職員用の出入り口のみ開けられている。ターミナル施設は老朽化が目立ち、シャッターが降ろされた空港入り口は廃墟の雰囲気を醸し出している。

米軍訓練基地の影響で空港運用には制限あり

伊江島のおよそ半分は米軍の訓練基地となっており、島の西側には米軍の滑走があるため、伊江島空港の運用にはさまざまな制限があるという。定期便を復活する際には米軍との交渉が必要となるため、労力と時間がかかる。

他方、海の航路は充実している。沖縄県内の離島便の中でも上位の部類に入るほど立派なフェリーが運航している。また、島内の大規模な港や舗装された道路、インフラ環境は整備されており、基地の受け入れによる国からの支援が手厚いことが垣間見れる。

そのほかに、民泊ビジネスも盛んで、修学旅行生をターゲットに島民生活を体験しもらう取り組みにも力を入れており、島全体の生活レベルは向上している。発展する伊江島で空港が再開する日は果たしてやってくるのだろうか。

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