『Airport Report』福岡空港 国内線ターミナル Oct,2021

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福岡県福岡市博多区の中央に位置する福岡空港。1944年に北部九州の防衛基地として設置された席田(むしろだ)飛行場が起源となっている。敗戦後は板付飛行場として米軍配下となるが、1972年に全面返還され、福岡空港が供用開始となった。以降、就航路線やターミナルビルの拡張や地下鉄の乗り入れなど順次開発が進み現在に至る。2019年には滑走路とターミナルビルを一体型で運営するコンセッション方式が採択され福岡国際空港株式会社が設立。東アジアトップクラスの空港に向け路線数や発着回数、旅客者数のさらなる拡大を図る2021年10月の福岡空港・国内線ターミナルをレポートする。

空港概要

福岡県・福岡空港 -Fukuoka Airport-

博多・天神までアクセス10分の市街地空港

福岡空港の最大の特徴は抜群のアクセス性。地下鉄が空港まで乗り入れており、中心地の天神駅までは約10分、新幹線が止まるJR博多駅までは約5分と世界的に見ても市街地と空港の近さはトップクラス。さらには外国クルーズ船の寄港数が多い博多港まで約6kmと輸送インフラ環境が充実している。

年間旅客者数は2,467万人※1で日本第4位の多さで、滑走路1本の空港の中では日本第1位と国内でも有数の忙しい空港となっている。しかしコロナ禍により2020年度は前年度比71.8%減の約650万人(ほとんど国内線利用者)と大きな影響を受けており、2021年10月も回復の兆しは見え始めているものの、混雑と言えるほどではない。

*1 国土交通省 空港管理状況調書 令和元年(平成31年度)分

大型ショッピングモールのような出立ちのターミナルビル

福岡空港国内線ターミナルビルのすぐそばには県道が走っており、その向こうにはお店や民家が立ち並ぶ。県道から見える空港ターミナルは大型ショッピングモールのような佇まいで、良い意味で空港っぽくない。空港ターミナルの中から外に目をやると、街中にあるような横断歩道の信号やお店の看板があり、自身が空港にいることを一瞬忘れてしまう錯覚に囚われさえする。外観やインテリアとしても植物が使われいたり、おしゃれなベンチが用意されていたりとサービス面で力を入れていることがよくわかる。

また空港ターミナル内のデザインや商業施設も街中のショッピングモールのように中央を吹き抜けにし、路面店のように並ぶ商業店舗のほか大きなフードコートが設置されており、家族連れや大人数のグループにとっても利用しやすい設計となっている。ショップはなんでも揃うお土産屋さんだけでなく専門店も充実。食事についても何を食べるか選ぶのが大変に思うほど様々なジャンルのレストランが軒を連ねる。極め付けはラーメン滑走路。とんこつラーメンの聖地とも言える博多の空港ならではのコンテンツもあり、旅客だけでなく周辺住民も楽しめる空港となっている。

他方で、保安検査を通過した後の制限区域にあるショップやレストランは、保安検査前の一般エリアと比較すると充実度は劣るため、時間に余裕があれば保安検査前に食事や買い物をしておくことをおすすめしたい。

開放感たっぷりの展望デッキ

福岡空港に訪れた際、国内線ターミナルの展望デッキにはぜひ足を運んで欲しい。通常、国内の空港で展望デッキがあるとことは屋上のみデッキとしている場合が多い。しかし福岡空港国内線ターミナルでは3,4階部に展望デッキが設けられており、螺旋階段によってデッキを移動できるようになっている。

展望デッキ4階の南側には開放的なビアマルシェ「ソラガ・ミエール」があり、飲食しながら飛び立つ飛行機を眺めることができる。またターミナルビル3階にあるレストラン「竹乃屋」は展望デッキ中央に隣接しており、こちらでは室内でゆっくり食事をしながら景色を楽しむことができる。

南北にある保安検査場入口の間違いは要注意

国内線ターミナルには保安検査場の入り口が2つある。さらに、それらの入り口が設計上、ターミナルの両端に設置されており、徒歩での移動に5分ほど要することから、保安検査場と搭乗ゲートの間違いには注意したい。動く歩道などもないことから、出発時刻ギリギリに空港へ到着した場合は、南北どちらの保安検査上に向かうべきか確認してから行動するほうがベターと思われる。

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