シーメンスロジスティックスが手荷物処理ソフトウェアBaggage 360の新しいバージョンをリリース

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ドイツのシーメンスロジスティクス社は、他に類を見ないバゲージハンドリングおよび空港オペレーションのソフトウェアBaggage 360の新バージョンを発表。このソフトウェアにより、空港、航空会社、地上業務スタッフはリアルタイムで手荷物処理フローの予測や空港全体の動きがわかるインタラクティブマップ、リソース計画とシミュレーションツールを使用でき、固定資産、移動資産、人的資源を最適に計画・配分することが可能になるという。またBaggage 360ではIoT機能やAIによる予測機能をクラウド経由で提供される。

シーメンスロジスティックスCEOであるMichael Reichle氏は「今回リリースしたBaggage 360は、手荷物処理プロセスのデジタルツインに向けた重要な一歩です。リアルタイムのオペレーションを仮想的に表現することで、空港はリモートで直感的にプロセスを監視・管理することができます。私たちの検証に協力してくれた顧客は、追加機能によって業務効率が向上したことに感銘を受けたと言ってくれました。」と述べている。

Baggage 360は、シームレスなオペレーションを実現するため、連なるいくつかのアプリケーションで構成されている。予測機能は、高度なAIと機械学習のアルゴリズムを活用して、次の24時間に予想される手荷物量を予測し、潜在的なボトルネックや故障をピンポイントで特定するという。例えば、リソース計画ツールを利用して、フライト発行や荷物搭載の割り当てを変更し、手荷物の所要時間を短縮することができる。

試験運用では、Baggage 360はエンド・ツー・エンドの平均移動時間を9分改善したという。これは、ラテラル(地上スタッフが手荷物運搬システムに手荷物を供給する地点)の計画と配置をよりスマートにすることで実現。さらに導入後1日で、積み残し荷物が22%減少したという。その結果、旅客の利便性が向上し、数千ユーロにも及ぶ本国送還コストの削減につながったとのこと。

Baggage 360はシーメンスのオープンIoTオペレーティングシステムであるMindSphereをベースにしている。MindSphereは、現実世界のプロセスや機械をセンサーを用いてデータ化し、分析やアプリなどのデジタル世界と結びつけるシステム。オープンなインターフェースを採用しているため、空港の規模や導入されているOSに関わらず、どの空港でもBaggage 360を導入することができるという。また、アプリは拡張性が高く、企業の成長に合わせてより多くの機能やサービスを利用できるとのこと。

Siemens Logistics Press Release

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