米国のサンフランシスコ国際空港(SFO)は、航空機の着陸時に使用する新たな技術の使用について連邦航空局(FAA)より承認を得たという。SFOは、新しい技術である「Ground-Based Augmentation System (GBAS)」を活用することで、近隣の航空機による騒音を低減するのに役立つと期待しているとのこと。
新しい技術のGPS精度は誤差2〜3センチ
GBASは、空港内に設置された放送局を利用して、人工衛星のみからは取得できない精度の高いGPS信号を生成することができるという。この信号を受け取ることができる装備をした航空機は、この仕組みを利用して、従来のシステムよりも高い精度で着陸することができるとのこと。
GBASの特徴は、受信機とブロードキャスト・アンテナを利用し、大気の状態や衛星の位置などGPSに生じる固有の誤差を修正することができるという。これによって従来のGPS精度が約40メートルだったものが、2〜3センチの誤差にまで精度を向上できるとのこと。
着陸方法の改善により騒音の低減も期待
GBASの活用によって期待される効果として、悪天候時の安全性や性能向上だけでなく、新たな着陸方法の可能性やより高高度・沖合での着陸体制をとれることで近隣への騒音を低減できる可能性も秘めているという。FAAはこの技術をまだ正式に全米で承認したわけではないが、SFOでその有効性を実証できれば全米の空港への導入可能性があるそうだ。
SFOの空港長であるIvar C. Satero氏は「これは5年以上前に始まったプロジェクトの1つの大きな節目です。GBASには多くの利点がありますが、我々が期待することは、地域社会における航空機の騒音を低減することです。まだやるべきことはたくさんありますが、これは重要な第一歩となりました。」と話す。
サンフランシスコ国際空港 Press Release