ウェリントン国際空港は、ニュージーランドの首都ウェリントンに位置し、国内外からの旅行者にとって重要な玄関口である。2024年度には約530万人※1の旅客を受け入れ、国内第3位の利用者数を誇る空港として、ニュージーランド航空やサウンズ・エアのハブ空港として機能している。近年では、ターミナルの拡張や滑走路の改修など、大規模なインフラ整備が進行中であり、将来の航空需要に対応する体制が整えられている。
空港概要
ウェリントン国際空港は、ニュージーランドの首都ウェリントン市の南東部、ロンゴタイ地区に位置する国際空港である。ウェリントンは、北島の南端に位置し、政治・文化の中心地であり、人口は約20万人※2と国内第3位である。年間を通じて強風が吹くことで知られ、「風のウェリントン」とも呼ばれており、これはタスマン海とクック海峡に挟まれた地形が原因とされている。空港は市中心部から約8kmに位置し、車で約15〜20分の距離にある。
空港は1959年に開港し、以来、国内外の航空交通の要所として発展してきた。現在では、ニュージーランド航空やサウンズ・エアのハブ空港として、国内線および国際線の重要な接続点となっている。2024年度には約530万人の旅客を受け入れ、国内第3位の利用者数を誇る。
旅客ターミナルは1つで、国内線および国際線の両方に対応している。ターミナル内には免税店、飲食店、ラウンジ、無料Wi-Fiなどの施設が整備されており、快適な空港体験を提供している。
空港は、インフラティル社とウェリントン市議会の共同所有であるウェリントン国際空港株式会社(Wellington International Airport Limited)によって運営されている。近年では、持続可能性や環境負荷軽減にも配慮した取り組みが進められており、電動航空機の導入や水素燃料の試験など、革新的なプロジェクトが展開されている。
就航路線は、オーストラリアの主要都市(メルボルン、ブリスベン、ゴールドコースト)やフィジーのナンディへの国際線に加え、国内各都市へのフライトも頻繁に運航されている。
市街地へのアクセスは、タクシー、ライドシェア、シャトルバス、レンタカーに加え、公共交通機関としてメットリンクの空港エクスプレスバスが運行されており、所要時間は約15〜20分である。
ターミナル内には、映画『ロード・オブ・ザ・リング』や『ホビット』シリーズにちなんだ巨大な彫刻が展示されており、訪れる人々にこの国の映画文化を伝えている。これらの作品は、ウェリントンに拠点を置く映画スタジオ「ウェタ・ワークショップ」などによって制作されており、同市は映画制作の拠点としても知られている。また、先住民族マオリの文化を反映したアートやデザインも多く見られ、ニュージーランドの多様な文化を感じることができる。
現在、ターミナルの拡張や滑走路の改修など、大規模なインフラ整備が進行中であり、将来の航空需要に対応する体制が整えられている。特に、2030年を目標に新ターミナルの完成を目指しており、さらなる利便性と旅客処理能力の向上が期待されている。
※1 Wellington Airport Annual Review 2025
※2 Stats NZ 2023年国勢調査 – Wellington City
正式名称 | ウェリントン国際空港 |
住所 | 28 Stewart Duff Drive, Rongotai, Wellington 6022, New Zealand |
運営組織 | Wellington International Airport Limited |
Webサイト | https://www.wellingtonairport.co.nz/ |
アクセス | 空港から市街地まで ・タクシー、ライドシェアで約15〜20分 ・メットリンク空港エクスプレスバスで約25分 |
駐車場 | 約1,000台収容可能な立体駐車場ほか |
滑走路 | 1本 2,081m × 45m(16/34) |
敷地面積 | 110 ha |
就航路線 | 23路線 ※2025年5月8日時点 |
利用エアライン | 8社 ※2025年5月8日時点 |
3レターコード | WLG |
輸送実績(2024年度)
総発着回数 | 100,696回 |
総旅客数 | 5,316,858 |
貨物量 | 158,359トン |
参照元:https://www.wellingtonairport.co.nz/documents/4514/Wellington_Airport_Annual_Review_2025.pdf
ターミナルビル概要
ターミナル数 | 1 |
運営会社 | Wellington International Airport Limited |
面積規模 | 約32,300 ㎡ |
運用時間 | 24時間 ※ただし、深夜0:00〜6:00は夜間飛行制限あり |
沿革
1929年 | ロンゴタイ飛行場として開設 |
1959年 | ウェリントン国際空港として正式開港 |
1977年 | 国際線ターミナル開設 |
1999年 | 新国内線ターミナル開設 |
2010年 | 「ザ・ロック」国際線ターミナル拡張 |
2018年 | 新管制塔完成 |
2025年 | ターミナル拡張および滑走路改修工事進行中 |
参考文献/URL

世界の空港辞典 (編著:岩見宣治,唯野邦男,傍士清志,2018)