本州中央部の伊勢湾に浮かぶ海上空港である中部国際空港。通称セントレア。世界各国の都市から多数のエアラインが乗り入れ、東海エリアの空の玄関口として機能している。東海エリア最大都市・名古屋までは鉄道で最速28分と好アクセス。就航需要の高まりと既存容量の限界が近く、2本目の滑走路建設に向け計画が進められている。
空港概要
愛知県・知多半島の西側、伊勢湾に浮かぶ海上空港である中部国際空港が開港したのは2005年。それ以前は小牧市にある県営名古屋空港が東海エリアの空の玄関口であったが、需要が伸びる一方で、空港容量の拡大が難しく、新空港の建設に拍車がかかる。成田国際空港、関西国際空港に次ぐ会社管理空港として中部国際空港の建設計画が進められ、現在に至る。
国際線はアジア諸国を中心に40以上の都市※1を結ぶ日本屈指の国際空港。国内線も日本の中央に位置しているため、南北の都市に幅広く就航している。通称のセントレア(Centrair)空港は日本の中央を表す「Central」と空港の「Airport」を組み合わせた造語から付けられたという。
東海エリアの中心経済圏である名古屋までは鉄道(ミュースカイ)で約30分とアクセスは良好。24時間空港ではあるが、深夜帯の二次交通機関はバスのみで、本数も限られている。
日本の製造業拠点も近隣にあることから貨物輸送拠点としても機能。米国ボーイング社が製造を手掛けるB787機の一部部品は中部地域で製造され、米国・シアトルにあるボーイング社の工場に運ばれる。その専用輸送機であるB747LCFは中部国際空港でのみ見ることができる。
近年の航空需要の高まりと既存の空港容量の限界が見られることから、2本目の滑走路を計画中。地域住民やその他関係者と透明性をもって合意形成しながら検討を進めるパブリック・インボルブメントのプロセスに従って推進されている。
※1 2021年9月時点
正式名称 | 中部国際空港 |
住所 | 愛知県常滑市セントレア一丁目1番地 |
空港種別 | 会社管理空港 |
Webサイト | https://www.centrair.jp/ |
アクセス | 名鉄名古屋駅から ・ミュースカイで約30分 ・車で約40分(有料道路経由) ・バスで約60分 三重県 津(なぎさまち)から ・高速船で45分 |
駐車場 | 7,800台(30分まで無料) 1時間あたり300円、1日最大1,600円(普通車) 24時間 |
滑走路 | 1本 3,500m×60m(18/36) |
敷地面積 | 580ha |
就航路線 | 61路線(国内線:19 国際線:42) ※国内線は2020年1月、国際線は2021年9月時点 |
利用エアライン | 31社(コードシェア便含む) ※2022年10月8日時点 |
3レターコード | NGO |
輸送実績(2021年)
総発着回数 | 48,504回 |
総旅客数 | 2,541,682(国内線:2,500,507,国際線:41,175) |
貨物量 | 123,930トン |
ターミナルビル概要
ターミナル数 | 2 |
運営会社 | 中部国際空港株式会社 |
面積規模 | 219,224㎡ ※1 |
運用時間 | 24時間 |
※1 https://www.azusasekkei.co.jp/work/view/52
沿革
1998年 | 中部国際空港株式会社が設立 |
2005年 | 中部国際空港が開港 |
2007年 | 航空機部品輸送の専用貨物機(B747LCF)が初飛来 |
2015年 | B787ドリームライナー初号機を受贈 |
2018年 | FLIGHT OF DREAMSがオープン |
2019年 | 第2ターミナルが供用開始 |
参考文献/URL
https://www.centrair.jp/assets/doc/corporate/information/pamph_jpn.pdf
世界の空港辞典 (編著:岩見宣治,唯野邦男,傍士清志,2018)