ドイツ企業のシーメンス社とスイスを拠点とする航空専門ITテクノロジー企業SITA社は、米国・カンザスシティ国際空港の新しい空港ターミナルプロジェクト「Build KCI」においてカンザスシティ航空局に将来性と拡張性のある技術を提供する。
約30万㎡、39のゲート設置が予定されている新ターミナルには、シーメンス社の各種ビルディングオートメーションや火災・生命安全システム、セキュリティシステムとSITA社のITネットワークや次世代空港システムが導入されるという。これらのソリューションを通して、運用・維持コストを削減し、自動化することによって旅客体験が向上するスマートなターミナルを実現するとのこと。
カンザスシティの航空担当ディレクターであるPat Klein氏はこう話す。「シーメンス社とSITA社は、革新的な技術と業界の専門知識を持ち合わせるとともに旅客の真のニーズを理解した上で、カンザスシティ国際空港の新ターミナルでお客様に卓越した旅を提供できるようインフラを提供してくれています。」
このプロジェクトでは、建設段階から運用段階へのシームレスな移行が重要であり、統合された生命安全と緊急通信システムや仮想化されたITネットワーク、機敏性の高い旅客タッチポイントが構築されている。さらに、空港スタッフが理解しやすい技術の導入のほか、タッチレスのキオスク端末やフライトインフォメーションディスプレイシステム、ビデオウォールなど次世代の旅客タッチポイントを導入しより直感的に移動できるようなターミナルとなるそう。
シーメンス社のスマートインフラアメリカ担当プレジデントであるDana Soukup氏は「異なる空港システムを統合することで、空港全体のデータを共有し簡素化することができました。我が社とSITA社は、共同プロジェクト管理手法を用いて、空港施設システム、オペレーションシステム、ITシステムを融合させ、強固な技術インフラと直感的で使いやすいシステムを提供しました。これにより、地上スタッフとオペレーターが現在2つあるターミナルから技術的に進歩した新しいターミナルへと移行できるようにしています。」と話す。
シーメンス社は今回、Desigo CCプラットフォームという技術を活用。空港資産管理プラットフォームとも統合される予定とのこと。SITA社はクラウドベースのプラットフォームであるSITA Flexを使って、生体認証スキャンによるチェックインやセルフサービスのキオスクなどのサービスを提供する。
SITAアメリカのプレジデントであるDiana Einterz氏は「パンデミックを乗り越える際に、予期しない変化に迅速に対応できる柔軟なシステムを導入することは重要であることがわかりました。私たちは、カンザスシティ国際空港で新しいターミナルの運用が力強く行われるよう空港オペレーション技術を提供していきます。」と話す。
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