ネルソン空港は、ニュージーランド南島北端に位置するネルソン市にあり、地域経済と観光の重要な玄関口として機能している。2024年度には約91万人※1の旅客を受け入れ、地方空港としては国内でも有数の利用者数を誇る。ニュージーランド航空、サウンズ・エア、オリジンエアなどが就航し、国内主要都市との接続点として重要な役割を果たしている。
空港概要
ネルソン空港は、ネルソン市中心部から南西約6kmに位置し、車で約10〜15分とアクセスも良好である。ネルソンは、日照時間が長く、晴天率の高い温暖な気候に恵まれており、ワインやアート、アウトドア観光などでも知られている。人口は約5万人※2。
空港は1930年代に開港して以来、観光とビジネスの拠点として成長してきた。現在では、ニュージーランド航空や地域航空会社の拠点として、年間91万5,600人の旅客を受け入れている※1。
旅客ターミナルは1棟で、2019年に竣工した新ターミナルは、木材を活用した環境配慮型の設計で、快適性と持続可能性の両立が図られている。施設内には、飲食店、ラウンジ、無料Wi-Fi、アート展示などが整備されており、来訪者にネルソンらしい空港体験を提供している。
運営は、ネルソン市議会およびタスマン地区議会が50%ずつ出資するインフラストラクチャー・ホールディングス社の子会社、ネルソン空港株式会社(Nelson Airport Ltd)によって行われている。
就航路線は、オークランド、ウェリントン、クライストチャーチなど国内主要都市を中心に7つの目的地に直行便を運航しており、地域の人々の移動手段としての役割を担っている。
空港から市街地へのアクセス手段には、タクシー、ライドシェア、レンタカーに加え、2024年に導入された電動バス(eBus)があり、環境負荷軽減と利便性を両立している。
また、自転車でのアクセス環境も整備されており、屋根付きのサイクルラックや自転車組立スペースがターミナル周辺に設けられている。ネルソン市街やリッチモンドへは専用サイクルルートを使ったアクセスが可能で、通勤や観光用途にも適している。
ネルソン空港では、2050年を見据えた「Project 2-Zero」が進行中であり、航空需要の増加や次世代航空機の導入に対応する体制が整えられつつある。滑走路の370m延伸(全長1,510m化)により、一部航空機の積載制限が緩和され、安全性や運航の柔軟性が向上する見込みである。
また、空港ゾーンは航空・商業・環境の3エリアに再編され、将来のターミナル拡張や持続可能な交通・エネルギー設備の導入にも対応可能となる。環境面では、2030年までにターミナルのCO₂排出量を24%削減し、太陽光発電の導入も進められている
※1 Nelson Airport Annual Report 2024
※2 Stats NZ – Nelson City人口統計(2023年)
正式名称 | ネルソン空港 |
住所 | Trent Drive, Nelson 7011, New Zealand |
運営組織 | Nelson Airport Ltd (インフラストラクチャー・ホールディングス社の子会社) |
Webサイト | https://www.nelsonairport.co.nz |
アクセス | ・市街地からタクシー・ライドシェアで約10〜15分 ・中心部からeBusで約25分 |
駐車場 | 台数:NA メイン駐車場:最初の15分は無料、NZ$4.50/時間、NZ$18/日、NZ$126/週 長期駐車場:最初の15分は無料、4日目までNZ$4.50/時間(最大NZ$18/日)、5日目以降はNZ$6/日 |
滑走路 | 1本 1,347m × 45m(02/20) |
敷地面積 | 129ha |
就航路線 | 7路線 ※2025年6月16日時点 |
利用エアライン | 4社 ※2025年6月16日時点 |
3レターコード | NSN |
輸送実績(2024年度)
総発着回数 | NA |
総旅客数 | 915,600人 |
貨物量 | NA |
参照元:Nelson Airport Annual Report 2024
ターミナルビル概要
ターミナル数 | 1 |
運営会社 | Nelson Airport Ltd |
面積規模 | NA |
運用時間 | 18時間(4:30〜22:30) ※土曜日は〜20:30まで、日曜日は5:30〜 |
沿革
1937年 | ネルソン空港の建設開始 |
1938年 | ネルソン飛行場として開港 |
1974年 | 旅客ターミナルビル(3代目)が建設 |
2006年 | 「制限付き国際空港」の認定に伴い、小型プライベートジェットの受け入れを開始 |
2019年 | 現在の新ターミナルが建設 |