鹿児島県の離島の1つである喜界島は、奄美大島の東25kmに浮かぶ小さな島で、車なら1時間もかからずに島内を1周できる。喜界空港は島の西部に位置し、1,200mの滑走路が1本ある。
就航路線は鹿児島と奄美大島のみで、1日それぞれ2往復するスケジュールが組まれている。鹿児島空港からは1時間10分、奄美空港からは20分のフライト時間となっている。
旅客ターミナル施設はとても小さく、チェクインカウンターや保安検査場、バゲージクレーム、売店・レストランが必要最低限の面積で運用されている。
2021年の旅客者数は約6万人。喜界島には、行政機関が少なく、奄美大島へ向かうため島民にもよく利用されている。フェリーの港や集落も近いため、徒歩圏内にカフェや食事処、宿もあり便利な立地にある。
のんびりとした時間に、美しい海以外なにもない喜界島。開発が進むリゾート地が増える中で、なにもないことこそが多くの人を惹きつける日がやってくるのだろうか。2023年4月の喜界空港をレポートする。
空港概要
見送りスペース兼休憩所
喜界空港には展望デッキあるいは送迎デッキと呼ばれるような代物はないけれど、旅客ターミナルビルの横には南国らしい大きな三角屋根の休憩スペースがある。
その目の前には飛行機が駐機し、乗り降りする乗客を見送ることができる。飛行機との距離はフェンス越しに10mほど。プロペラ機とはいえ、その大きさや迫力を感じることができる。
またこの場所は、空港従業員の憩いの場にもなっている。離発着がない時間帯になると、空港スタッフたちが心地よい風を感じなら休息をとっている。離島空港ならではのほのぼのとした光景を目にすることができる。
離島の風情が漂う売店&カフェ
旅客ターミナルビルには小さな売店とカフェがある。名産品である黒糖や黒糖焼酎を中心にお土産が売られている。
売店に入って左側にカフェがある。座席の数は多くないが、出発までコーヒーを飲みながらゆっくりすることも可能だ。
カフェに置いてあるテーブルやイス、カーテンなど目に入るものすべてがノスタルジックで、過去にタイムスリップしたかのような気分になるのも喜界空港ならではの楽しみ方だ。
空港の近くにビーチとゴルフ場
喜界空港の滑走路のそばには、スギラビーチがある空港臨海公園とゴルフ場がある。近くにビーチや公園がある空港は国内にもいくつか見られるが、これほどまで近くにゴルフ場がある空港はほとんどない。
滑走路脇のフェンスもそこまで高くないことから、ゴルフボールが滑走路に飛んでこないか心配になる程だ。
午前の第1便で喜界空港に降り立ち、コースを回って、第2便で帰路に着くといったゴルフツアープランも悪くないかもしれない。