『Airport Report』 富山空港 Oct,2024

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富山県にある富山空港は、富山市の中心部から南へ約7kmの位置にある地方管理空港である。市内中央を流れる一級河川・神通川の河川敷に建設されており、河川と平行するように滑走路が南北に伸びている。河川敷に空港があるのは国内では富山空港のみであり、珍しい空港として知られている。

滑走路長は2,000mあり、ジェット機の離着陸が可能で、現在は国内線が東京便と札幌便、国際線は大連便と上海便が運航している。東京便は1日3往復、札幌は1日1往復、大連便は週2便、上海便は週3便のスケジュールが組まれている。ソウル便と台北便は現在、運休中である。

2023年の年間旅客者数は約35.5万人で、パンデミック前の水準に回復しつつある。年間貨物量は229トンで、パンデミックの影響を受けたことにより現在も低水準で推移している。2015年に北陸新幹線の開通に伴い、空港利用者数は減少。開通前は東京路線は6便あったが現在は3便にとどまっている。

富山駅がある市内中心部にはバスやタクシーなら約20分ほどでアクセスできる。また、自家用車の無料駐車場が大きく、1,500台以上ものスペースを有する。旅客ターミナルの隣の施設には、総合スポーツ施設があり、一般の方でも卓球やビリヤード、ビームライフルなどを楽しめる。

富山空港は、2012年に愛称「富山きときと空港」を採用。富山弁で”新鮮な”を意味する「きときと」をつけることで海の幸に恵まれた富山を知ってもらいたいという思いが込められている。

北陸新幹線の開通、世界的な感染症拡大など厳しい環境に直面しつづける2024年10月の富山空港をレポートする。

空港概要

富山県・富山空港 -Toyama Airport-

堤防を超えるボーディングブリッジ

河川敷に設置されている空港は、日本では富山空港だけである(厳密には旅客機の発着がある空港のうち唯一)。滑走路が河川敷に設置され、堤防を挟み、陸地側に旅客ターミナルが建設されており、世界的に見ても珍しい空港と言われている。

旅客機とターミナルを繋ぐボーディングブリッジ(搭乗橋)は堤防を超えるようにして作られている。特に1番スポット(搭乗口1)は、日本で一番長いボーディングブリッジという説もあるそうだ。

航空が好きな空港

富山空港では年に1回「空フェス」を開催している。空港関連施設の見学やフライトシミュレーション体験、航空グッズの販売などが行われている。また不定期に「航空ジャンク市」が開かれ、航空部品の販売など航空のマニアックたちに人気のイベントも行われ、航空業界の盛り上げに一役買っている。

イベント開催のみならず、旅客ターミナルからも航空に対する情熱を感じることができ、歴代モデルプレーンや航空機部品の展示が目立つところに設置されている。

美しい自然のパノラマ

天気が良ければ富山空港の展望デッキは一見に値する。目の前を遮るものがなく、雄大な立山連峰を見渡すことができ、自然の美しさを感じることができる。

夕日が沈む時間帯もおすすめしたい。オレンジに染まる空に浮かび上がる山々の稜線がとても美しく、蛍のように光る飛行機が幻想的なワンシーンを演出してくれる。

カメラ片手に空港を訪れ、最高の一枚を富山空港フォトコンテストに出してみるのも良いかもしれない。

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