『Airport Report』徳之島空港 Apr,2024

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徳之島空港がある鹿児島県の徳之島は、奄美大島と沖縄本島の間に位置し、奄美大島からは約90km南下、沖縄本島からは約250km北上したところにある離島である。

空港は島の北西部海岸沿いに建設されており、滑走路はほぼ南北方向に伸びる。滑走路の長さは2,000mあり、ジェット機の離発着にも対応している。

就航路線は鹿児島、奄美大島、沖永良部の3路線で、観光客だけでなく鹿児島県民にとっても重要な交通手段の1つとなっている。

2022年の年間旅客者数は約17万人で、パンデミック前の旅客者数およそ20万人と比べて、回復しきっていない状況が続いている※1

一方で、2021年に「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」が世界自然遺産に登録されたという明るい出来事もある。

世界自然遺産への登録という追い風に乗って、多くの観光客を呼び込むことができるか注目される2024年4月の徳之島空港をレポートする。

※1 国土交通省 空港管理状況

空港概要

鹿児島県・徳之島空港 -Tokunoshima Airport-

離島の中では充実した旅客ターミナル施設

徳之島は奄美群島に属する島の中で、奄美大島に次いで大きな島であり、空の玄関口である徳之島空港も離島空港の中ではそれなりの規模を誇る。

飛行機を降り立つとすぐ、曲線をあしらった緑色の屋根に、”TOKUNOSHIMA”の大きな文字が目に飛び込んでくる。

ターミナル施設を直接つなぐ搭乗橋がないため、旅客はエプロンを歩いて出入りするが、これが離島空港らしさを演出してくれる。

ターミナル内には売店が2箇所、カフェ・レストランが1箇所と店舗数としては最低限だが、品数は充実している。売店では島の特産品が購入できるほか、カフェ・レストランでは奄美名物の鶏飯や島で採れたフルーツのジュースなども楽しむことができる。

島民による歓送迎の熱量は桁違い

なかでも驚かされたのは、島民による歓送迎の熱量だ。たくさんの見送り客が空港に訪れ、飛行機が飛び立つまで見送る文化がここにはある。

歓迎時も同様で、到着口の前に大きな横断幕やプラカードを掲げた島民が熱烈に出迎えてくれる。

徳之島には失われつつある古き良き思いやりがあり、徳之島空港はそんな愛情で満ち溢れている。

愛称は「徳之島子宝空港」

2012年に徳之島空港開港50周年を記念して、空港の愛称が公募された結果「徳之島子宝空港」となった。

その名の通り、徳之島は合計特殊出生率の高さが全国トップレベルにあるのだ。市町村別で見たランキングでは、トップ10に伊仙町(2位)、徳之島町(3位)、天城町(7位)と徳之島から3つの町がランクインしている※2

実際に、歓送迎で空港に来る島民の多くが子ども連れの家族で、子どもの数は大人の数と大差がない。

若い世代が創る未来の徳之島が楽しみだ。

※2 厚生労働省:平成25年~平成29年人口動態保健所・市区町村別統計の概況

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