『Airport Report』庄内空港 Mar,2022

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山形県の日本海側で最上川流域に広がる庄内平野に位置する庄内空港。酒田市と鶴岡市のちょうど中間部に建設され、日本海に面している。庄内空港は全日空が乗り入れており、現在は東京・羽田便のみ運航されている。県内にはもう1つ、山形市内を北上したところに山形空港があり、JALとFDAが乗り入れている。庄内空港は年間旅客者数が44万人ほどだったが、パンデミックの影響で約14万人にまで落ち込んでいる。ジェットスターが成田便を開設するも、旅客数の激減により2021年3月には廃止となった。

空港規模は小さいが、特徴的なターミナルビルの外観やファンクラブの開設、マスコットキャラクターの企画など旅客向けサービスの拡充に力を入れている様子が窺える。空港利用者数の回復に向け様々な工夫を試みる2022年3月の庄内空港をレポートする。

空港概要

山形県・庄内空港 -Shonai Airport-

曲線が特徴的な外観とカフェのような内装デザイン

庄内空港を象徴するのがターミナルビルの特徴的な外観だ。カーブを描くような天井の構造で、それに合わせてビルの中は1階から3階まで階段状の吹き抜けとなっている。珍しい設計のため一度訪れたら忘れないようなデザインが施されている。

また3階にあるフリースペースにはおしゃれな吊り下げ照明と木質の温かみのあるテーブルとチェアが用意されており、さながらカフェのようだ。出発までの時間を仕事や一息つける場所として活用されている。現在は旅客や空港利用者も少ないため、比較的座席は空いていたが、利用者数が戻ってきた際には座席数が足りなくなる可能性は高いだろう。

絶品のブランド豚を楽しめる平田牧場庄内空港店

東京都内にもいくつか店舗を展開する平田牧場は、山形県酒田市に本社を置く企業だ。自社で品種開発や生産から加工・流通・販売に至るまで徹底した安心・安全そしておいしさを追求しているという。空港内の飲食店は平田牧場のレストランのみ。メインのとんかつのほか、サラダやつまみの類も充実しており、出発前の時間帯は混雑するほど人気だ。

旅客への配慮を大切にする空港

空港で働くスタッフの多くが旅客へのサポートを手厚く実施している。保安検査場は混雑していなくても旅客全員に目を配り、案内をしている。また、空港内の壁にはスタッフからのメッセージボードが設置されていたりと人の温かさを感じられる空港づくりがなされている。規模が小さい空港だからこそ、旅客1人ひとりに向き合い、旅をサポートする姿勢や取り組みは庄内空港ならではの特徴なのかもしれない。

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