沖縄本島から東方約340kmに位置する南大東島。北へ約12km先にある北大東島と合わせて大東諸島と呼ばれている。面積は約30㎢、周囲は約21kmの小さな島におよそ1,300人の人々が暮らす。
南大東空港は島の東側にあり、1,500mの滑走路を1本有する。路線は那覇便と北大東便の2つで、2023年9月現在、午前・午後それぞれ1便ずつ運航されている。沖縄本島から船だと約13時間かかるが、空路ならおよそ1時間でアクセスできる。
運航ルートは「三角ルート運航」と呼ばれ、那覇→北大東→南大東→那覇という時計回りに運航する日もあれば、那覇→南大東→北大東→那覇と反時計回りに運航する日もあり、特殊な運航スケジュールが組まれている。
また、南大東と北大東を結ぶフライトは、所要時間が約15分と日本で最も短い路線で、機内のベルト着用サインが一度も消えることなく離着陸が行われる珍しい路線でもある。
離島マニアや飛行機好きなら1度は訪れる2023年9月の南大東空港をレポートする。
空港概要
沖縄県・南大東空港 -Minamidaito Airport-
小さな島に立派な空港
南大東空港は小さな離島にしては立派な旅客ターミナル施設で、地方にある小規模空港と大差ない。また、曲線状の外観がデザインされていたりとモダンな雰囲気さえも漂う。
旅客者数が少ないこともあり物販と飲食店はそれぞれ1店舗のみで、品数も最低限に抑えられているが、名物の大東寿司や島内で作られたラム酒などの名産品は揃っている。
公共の二次交通がないため要注意
南大東島には公共交通機関がない点には注意が必要で、空港前にバスやタクシーが並んでいる光景がそこにはない。
空港から集落へ移動するには、宿泊先の送迎もしくはレンタカーが主な手段となる。
空港内のカフェに併設された観光案内所では、レンタカーやレンタサイクル(電動あり)のサービスがあるため、日帰りの場合は利用するのも良いだろう。
旧・南大東空港はラム酒工場に変貌
南大東空港が現在の場所に新設されたのは1997年のことで、それまでは島の中央部に設置されていた。
現在、旧・南大東空港は島内のさとうきびから作られるラム酒の工場となっており、空港マニアの間では空港施設の再活用において先駆的な存在として有名な建物でもある。
工場の外観は旧空港のままで、建物内も一部の看板などは当時と変わらない姿で残っている。また、商品を購入できる場所もある。
建物の脇から階段を登り、屋上(旧・展望デッキ)に行くと、工場から排出されるラム酒の香りを楽しむこともできたりと、数少ない観光名所になりつつある。