沖縄本島の那覇市から西へ約100km離れたところに位置する久米島空港。県内では5番目に大きな島であり、空港は年間でおよそ26万人※1の旅客に利用されている。島の最西端に建設された久米島空港は、滑走路側が青く美しい海に面しているため、展望デッキからは美しい景色を堪能できる。
基本的には那覇空港からの便が就航しており、多い時では1日7〜8便が運航されている。飛行時間は40分と、那覇から直行便フェリーが最速でも2時間15分かかることから、時間を稼ぎたい旅客には重宝されている。
また、夏季限定で羽田便が1日1便就航している。2020年の夏からパンデミックの影響を受け、休止していたものの2022年の夏からは再開されている。乗り入れている航空会社はJAL系列のみで、那覇便は日本トランスオーシャン航空(JTA)もしくは琉球エアコミューター(RAC)が運航しており、羽田便と一部那覇便は日本航空(JAL)が運航している。
夏の行楽シーズンを前に、徐々に活気を取り戻しつつある2022年7月の久米島空港をレポートする。
*1国土交通省 空港管理状況調書 令和元年(平成31年)分
空港概要
鋭く伸びるトゲが要塞の雰囲気を醸し出すターミナル施設
久米島空港に着陸するや否やまず興味を惹かれるのがターミナルビルの外観だ。建物の上部のトゲが鋭く伸び、剥き出しの柱や躯体が要塞の雰囲気を醸し出している。太陽の日差しを和らげるための青い窓ガラスさえも重厚なターミナルビル感を演出しており、人口7,000人の南の島とは思えないほど立派なターミナル施設が待ち構えてくれている。
琉球で最も美しい島の空港
久米島は琉球諸島で最も美しい島と称され、別名「球美(くみ)の島」とも呼ばれている。その名の通り久米島空港の展望デッキからは青い海を一望できる。前を遮るフェンスもないため、航空機ファンにとっては撮影しやすい環境とも言える。
のんびりと島時間が流れる
フライトの前後はほかの空港と同じように慌ただしくなり、一時的に空港内は混雑する。しかし、ピークを超えると南国特有の島時間が戻ってくる。パーラーで休憩する売店スタッフ、寡黙にゆっくりと清掃するスタッフ、無人の観光案内所と旅客がいない時間はのんびりし、頑張りすぎないこと。これが島の空港の心地よさなのかもしれない。