北九州空港は福岡県の北部に位置する北九州市にある。九州では福岡市に次いで人口が多い都市だが、戦後は重工業の街として栄え、九州で最も大きな都市であり玄関口でもあった。
北九州市の中心地である小倉北区から空港まではバスで約45分の距離にある。海上空港の特性を活かして九州では唯一の24時間空港として機能し、貨物輸送の重要な拠点となっている。
貨物取扱量は年間約1万9,000トンで全国第9位※1の規模を誇り、現在計画中の滑走路延長(2,500m→3,000m)により大型の航空機材発着が実現すればさらに容量が拡大する見込みである。
国内線は東京・羽田便のみ(時期によって那覇便)があり、北九州空港を拠点するスターフライヤー(ANAコードシェア便)とJALによって30分〜1時間に1便程度が運航されている。
国際線は現在、ジンエアーと大韓航空によるソウル(仁川)便と天津航空による大連便が運航されており、釜山便と台北(桃園)便は運休状態が続いている。
年間の旅客者数はおよそ74万人で全国第30位※1であり、旅客輸送容量の上限に近い福岡空港の混雑緩和策として、北九州空港を活用する計画も検討されている。
かつては九州随一の工業都市として栄華を極めた北九州市。復権をかけて進化する2023年12月の北九州空港をレポートする。
※1 国土交通省 空港管理状況
空港概要
福岡県・北九州空港 -Kitakyushu Airport-
九州初の24時間空港
海上空港として誕生した北九州空港は九州で最初の24時間利用可能な空港となった。国内の24時間空港には新千歳、羽田、中部、関西国際、那覇があり、主要経済圏の輸送拠点と肩を並べる空港の1つであり、九州の重要輸送拠点として役割を果たしている。
スターフライヤーの拠点空港
北九州空港はスターフライヤーの拠点空港となっており、旅客ターミナルビルのそばに本社やフライトセンターがある。
基本的には東京・羽田便が30分〜1時間に1便のペースで就航しており、その大半をスターフライヤーが運航している。国際線においてはスターフライヤーによる台北(桃園)便の路線があるものの、現在は運航休止の状態が続いている。
モダンなデザインのターミナルビル
旅客者数の規模で考えると地方空港のカテゴリーに属するが、旅客ターミナルビルはモダンなデザインが施されている。
透過製のガラス壁面を多用し、採光を重視することで日中は明るく、夜になると外観は美しく輝くビルになり幻想的な雰囲気を楽しめる。
また、誰でも利用できる一般エリアと航空利用者のみが利用できる制限エリアを区切る壁をあえてガラスにすることで開放感を高めるだけでなく、搭乗直前まで見送りができることなど利用者視点を考えた設計が取り入れられている。