生体認証によるシームレスな旅や自動化された国境管理などデジタルアイデンティティソリューションの提供において世界的リーダーであるVision-Box社は、フィンランド国境警備隊(RAJA)と提携し、シェンゲン協定国内で初のEU出入域システム(EES)プロジェクトをヘルシンキ・ヴァンター国際空港で実施することを発表した。
プロジェクトの目的は、国境管理インフラの近代化と拡張に加え、ヘルシンキ空港の運用効率を向上させるとともに、EU規制の枠組みに準拠すること。2022年までに従来の国境管理を完全にデジタル化された旅客処理へと変え、バイオメトリックデータの自動収集に置き換える画期的な取り組み。
本プロジェクトは、2019年初頭から段階的にフィンランド最大かつ最も利用者の多いヘルシンキ空港で実施されており、シェンゲン協定国への出入国時の生体認証やバイオグラフィック・データの取得に関するEU規制を確実に遵守し、職員の職務をサポートし、業務効率を向上させることができたという。
Vision-Boxは、Orchestra™ Identity & Border Management Platformを活用し、事前登録や自動化、人手の国境管理向けの最終ハードウェアを提供。これにより、RAJAには規制情報の自動取得やアシスト、必要なデータの取り込み、処理、管理など、人間を中心としたプロセスの隅々までソリューションが提供され、旅のあらゆる段階でGDPRへの準拠が保証される。
この新しい基盤は、乗客がタッチスクリーンに触れる機会を減らしたり、非接触型生体認証によって空港や国境警備隊のスタッフとの接触を最小限に抑え、安全な旅行体験を提供する。
このプロジェクトについてVision-box社の戦略セールス兼グローバルパートナーシップ担当Vice PresidentであるJeff Lennon氏は「弊社の専門知識と革新的なソリューションを活用して、フィンランドはシェンゲン領域内で最初のEESプロジェクトを実施し、スマートボーダーのパイオニアとなりました。国境マネジメントプラットフォームであるOrchestraをフル活用し、RAJAと共同で、すべての国境通過ポイントで移動中に非接触型の認証が可能なタッチレス体験をデザインしました。ここまで大規模に実装したのは世界でも初めてです。また、他国の国境マネジメントでも活かすべく、ケーススタディを公表し、学びを共有できることを嬉しく思います。」とのこと。
RAJAの国境検査のシステムマネージャーであるPasi Nokelainen氏は「この挑戦的で画期的なプロジェクトには、両社の献身と努力が必要でした。Vision-Boxチームは、予定通りの納品を行うため献身とプロフェッショナリズムを証明してくれました。このソリューションとデバイスによって、私たちは自信を持って将来のチャレンジに挑むことを楽しみにしています。」と話す。
Vision-box社は2021年6月にはブルガリアでFrontex社と地方自治体と共同で非接触生体認証による陸路国境検査を開始したり、地中海に浮かぶマルタ島のマルタ国際空港では自動化国境ゲートを導入。さらにはアラブ首長国連邦のドバイ国際空港のターミナル3にはエミレーツ航空専用の生体認証システムの導入も手掛けている。
Vision-box Press Release