世界185カ国で1,950の空港を運営する717もの団体が加盟する国際空港評議会(ACI)ワールドは、旅行者の声を反映した世界最高の空港を表彰するエアポート・サービス・クオリティ(ASQ)賞の2021年の結果を発表。
旅行者の声を反映したベストエアポートを選出
2021年はCOVID-19の影響により感染症対策の強化や旅行者向けの新たな体験が提供され、旅客輸送に大きな変化が起こり続けたという。そのような状況下にもかかわらず、世界中の空港は日々変わりゆく旅行者のニーズを汲み取り、対応を続けてきたとのこと。
衛生対策部門におけるベストエアポートを46空港が受賞
2021年は37万件以上の調査データから世界の87空港が110の賞を受賞したのとのこと。受賞部門には、規模別(年間利用者数)および地域別のエアポート部門、地域別の衛生対策部門があり、そのうち受賞者は46空港となったという。
ASQ Awards and Recognition 2021
規模別のベストエアポートにアジア地域は9空港が受賞
年間利用者数が4,000万人以上の空港で、アジアからベストエアポートに選出されたのは9空港。うち5空港が中国の空港となった(北京首都国際空港、広州白雲国際空港、上海虹橋国際空港、上海浦東国際空港、深セン宝安国際空港)。インドからはチャトラパティ・シヴァージー国際空港とインディラ・ガンディー国際空港の2空港、マレーシアからクアラルンプール国際空港、シンガポールからチャンギ国際空港が選ばれている。ヨーロッパのベストエアポートはイタリアのローマ・フィウミチーノ空港のみ。北米からは米国のハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港とカナダのトロント・ピアソン国際空港の2空港という結果となっている。
衛生対策のベストエアポートはヨーロッパが10空港で最多
衛生対策に関するベストエアポートには世界で46空港が選出され、アジアからは中国・北京の2空港をはじめ10空港が受賞。ヨーロッパからはスペイン・バルセロナのエル・プラット国際空港など20空港が受賞し、地域別では最多となった。北米からは米国のタンパ国際空港やカナダのトロント・ピアソン国際空港が受賞している。
ACIワールドの事務局長であるLuis Felipe de Oliveira氏は「COVID-19によるパンデミックが2年目を迎えた今年、エアポート・サービス・クオリティ賞の受賞者は、歴史上最も困難な時期に顧客体験の改善におけるリーダーシップを如実に反映しており、各空港の卓越したリーダーシップを誇りに思います。」と話す。さらに、続けて「持続可能な優れたカスタマー・エクスペリエンスの実現には、継続的な学習と改善が必要です。航空業界の回復に合わせて、旅行者の声を聞き、適応し続けることは、空港の競争力や非航空収入、そして航空全体のエコシステムの持続的な回復をする上で不可欠なものとなるでしょう。」と述べている。
2年目となるASQ賞は、ACIとパートナーシップを結ぶAmadeus社と共に賞を提供する予定で、2022 年 9月14日にポーランドのクラクフで開催される ASQ Forum & ACI Customer Experience Global Summit にて授賞式が執り行われるという。
ACI Press Release