米国・国土安全保障省の科学技術局は保安強化のための物体検知・追跡アルゴリズムの開発に投資

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米国・国土安全保障省(DHS)の科学技術局(S&T)は、アリゾナ州のバーミンガムに拠点を置くAnalytical AI社に19万9,500ドル(約2,900万円)の資金を提供し、放置された手荷物などと人物を結びつけ、館内に入ってから出るまでを追跡する人工知能アルゴリズムを構築するという。

放置された物体の検知と所有者を紐づける技術の開発

S&Tが主催するシリコンバレー・イノベーション・プログラム(SVIP)は、ソフトターゲットの安全確保を目的に、カメラ映像から異常な出来事を自動的に検出することで人間のエラーを減らし、学校やスポーツの会場、公共交通機関、ショッピングモール、礼拝所、そのほか一般市民が集まる場所において、脅威に対応するソリューションを求めていた。

SVIPの取締役であるMelissa Oh氏は「このプロジェクトのゴールは、未知の脅威が現れたとき、迅速かつ効果的な行動を可能にするセキュリティを人々の多い場所に提供することです。Analytical AI社が持つ革新的なテクノロジーは、公共エリア空間での攻撃防止につながる放置された物体検知だけでなく、人や物の動きまでも追跡できるのです。」と話す。

解析した動画データはリアルタイムで見返しや再生が可能

AIを使った分析アプローチにより、対象となる物体の位置と所有者の変更を検出することができるほか、放置された手荷物の所有者を追跡することができ、ほぼリアルタイムにビデオの見返しや再生ができる機能を備えているという。

S&TのプログラムマネージャーであるAli Fadel氏は「公共交通機関では、1日あたり全米で最も混雑する空港の平均して10倍近い乗客を運んでいます。乗客と彼らの持ち物を検査するチェックポイントは限られているため、私たちのプログラムでは、現場での物理的な安全確保と状況認識を強化するための革新的なテクノロジーを追求していました。」と話す。続けて「高度なアルゴリズムを利用して、ほぼリアルタイムで所有物を特定し、警備員に警告することで、危険な出来事への迅速な対応や、無害な所有物の除去が可能になるでしょう。公共交通機関を利用する通勤者や乗客、ファミリー、または大規模な集まりに参加する人々の安全を守るために、より広範なセキュリティへとソリューションを統合することを考えています。」と述べている。

The Department of Homeland Security New Release

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