トロント・ピアソン国際空港はNAV CANADA社の航空管制技術を導入

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カナダのトロント・ピアソン国際空港は、北米で初めて時間ベースのツール「インテリジェント・アプローチ」を導入した航空ナビゲーションサービスプロバイダーであるNAV CANADA社の航空管制技術を導入するという。この新技術によって、同空港の5本の滑走路に戦術的な能力が追加され、特に強風時の遅延や燃料消費、CO2排出の削減に貢献するとのこと。

3社で新しい航空管制技術を開発

NAV CANADA社は、英国の航空管制プロバイダーであるNATS社および科学技術の分野で業界リードするLeidos社と協力し、「インテリジェント・アプローチ・システム」を開発。このツールによって、到着する航空機の間隔を最適化することで、航空機の遅延を削減するという。

気象データや航空機の種類などを考慮し到着間隔を自動計算

このシステムでは、設定された距離ではなく、現在の気象データと航空機の種類に基づいて、最適な到着間隔を自動で計算。管制官がこの計算結果を見ながら、到着間隔を一定に保ち、向かい風が強いときでも着陸率を維持できるようサポートするとのこと。

航空機の遅延を62%削減

NAV CANADA社の副社長であり最高技術・情報責任者であるMark Cooper氏は「私たちは、NATS社やLeidos社などの主要なパートナーと協力し、トロント・ピアソン国際空港におけるインテリジェント・アプローチなど業務効率と効果を高めるために不可欠なプロセスやシステムの革新を続けています。」と述べている。

2015年に英国のヒースロー空港に初めてインテリジェント・アプローチが導入され、向かい風による航空機の遅延が62%減少したという実績もあるという。

NATS社の戦略・商業ディレクターであるGuy Adams氏は「航空業界は今、COVID-19の影響から回復し始めており、空港にとって既存インフラをフル活用することがかつてないほど重要になっています。我々はインテリジェント・アプローチがトロント・ピアソン国際空港において定刻通りの運航と運用をさらに向上できることを期待しています。」と話す。

NATS社とLeidos社は、オランダの航空サービスプロバイダーであるLVNL社とも協力し、アムステルダムにあるスキポール空港にもインテリジェント・アプローチの導入をサポートしているという。

NAV CANADA News Release

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