チャンギ空港はハンデキャップを持つお客様をサポートする空港ガイドサービスを導入

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Credit: Changi Airport Group

シンガポールのチャンギ空港を運営するチャンギ空港グループ(CAG)は、自閉症スペクトラム、ダウン症、認知症など、一見するとわからないハンデキャップを持つ方々をより良くサポートするため、3つの新しい取り組みを開始したという。

特別支援学校などと協力して独自サービスを開発

旅客にとって、よりストレスのない、包括的な旅行体験の実現を目的としたこの取り組みには、カスタマイズ可能な空港ガイド、特別な識別用ストラップへの配慮、訓練を受けた空港スタッフの配置が含まれており、旅客はより簡単かつ丁寧なサポートを受けることができるとのこと。この取り組みは、CAG社が特別支援学校や団体と協議して開発したものだという。

空港の全工程を写真と文章でわかりやすく説明

ハンデキャップを持つ旅客は、「チャンギ空港ソーシャルストーリー」を利用し、空港での手続きに慣れることで、旅行中の不安を軽減することができるとのこと。チャンギ空港ソーシャルストーリーとは、レインボーセンター・トレーニング&コンサルタント(RCTC)の経験豊富な教育者と共同で開発した取り組みのひとつで、ハンデキャップを持つ人が旅行などの不慣れな状況で受けるストレスを軽減するためのものだという。写真と短い説明文からなるソーシャルストーリーは、介護者がよく使うツールで、チェックインから搭乗まで、空港の全行程をステップバイステップでわかりやすく説明されている。また、旅客の旅程に合わせてカスタマイズできるようチャンギ空港のウェブサイトから簡単にアクセスできるほか、印刷して実際に使用することも可能とのこと。

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専用ストラップ着用でよりスムーズに案内

空港内において、障害者用のストラップを身につけることで、より多くのサポートや時間が必要であることを周囲に伝えるツールを導入。より目立たない形を希望する旅客は「Hidden Disabilities Sunflower」ストラップや陸運局の「May I Have a Seat Please」ストラップのどちらも携帯することが可能で、空港職員は、これらのストラップを識別し、特定の手続き実施の時間を割いたり、空港内の手続きを案内するなど追加サポートを提供するよう訓練されているという。

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トレーニングを通して空港スタッフの案内スキルを向上

さらに、ハンデキャップを持つ旅客は、空港内を移動中、金色のケア・アンバサダー・ピンを付けたチャンギ空港のスタッフがサポートしてくれるという。「チャンギ・ケア・アンバサダー」と呼ばれるスタッフは、RCTCのトレーニングを受け、特別なニーズを持つ旅客を支援するスキルを身に付けているとのこと。すでに300人以上のスタッフがこのトレーニングを受けているが、今年はさらに多くのスタッフへと拡大される予定という。

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ハンデキャップを持つ方々に力を与える

CAGのカスタマーサービス部門バイスプレジデントであるDamon Wong氏は「特に、見た目からはハンデキャップの有無がすぐにわからない旅客にとっては、慣れない場所やそこでの手続き、移動はストレスになることがあります。私たちは専門家と密に連携し、空港での旅客のニーズをよりよくサポートする方法について、地域の方々からご意見を伺いました。この取り組みは、ハンデキャップを持つ方々の旅行体験全体を改善することを目的としており、空港が旅客にとってより快適で利用しやすい場所になることを願っています。」と述べている。

また、RCTCのアシスタントディレクターであるArthur Elfin Chiang氏は「CAGが支え合う空港を目指し、障がいのあるお客様により良いサービスを提供できるよう取り組んでいることを知り、私たちは心強く思っています。これは、ハンデキャップを持つ方々がコミュニティで活躍できるよう力を与えるという私たちのビジョンと非常によく合致しています。CAGのスタッフと空港のパートナーのスキルアップを通じて、ハンデキャップを持つ方々に対する考え方の転換を図りたいと考えています。CAGが空港の様々な接点で彼らと接し、サポートするための手法を採用することで、空港での利用体験が向上すると確信しています。」と話す。

チャンギ空港グループ Newsroom

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