米国フロリダ州にあるオーランド国際空港（MCO）は、米航空宇宙局（NASA）が開発したフライトスケジューリング技術を導入し、多くの旅客がこれまで以上に迅速かつ効率的に出発できるようになる取り組みを開始。NASAでテストされた技術が米連邦航空局（FAA）に移管されたことにより、オーランド国際空港を含む国内の大規模空港いくつかでこの技術が導入されるという。
NASAとFAAは約4年にわたる研究およびテストを行いフライトスケジューリング技術を開発。航空機のプッシュバック時間を計算することで、過度なタキシングや待機時間を回避し、燃料消費量や排出ガスさらには遅延までも削減できるという。
実際にNASAは2017年から米国ノースカロライナ州にあるシャーロット・ダグラス国際空港でフライトスケジューリング技術の導入検証を行なっている。2021年9月までに100万ガロン以上の燃料節約ができているという。これらの節約は主にジェットエンジンの稼働時間を短縮したことによる効果とのこと。さらにはメンテナンスコストも減少し、エアラインは運行乗務員のコストを推定約140万ドル（約1億6,000万円）削減できたという。全体として、乗客は933時間のフライト遅延を回避できるとともに推定450万ドルもの時間的価値を節約することができたと報告している。
NASAのBill Nelson長官は「NASAとFAAとのパートナーシップは民間航空業界の効率性を高め、全米の航空業界と乗客に貢献しようとしています。私たちのフライトスケジューリング技術は、空港内にある航空機の動きを担当者がよりよく調整することを可能にするものです。より多くの乗客がこれまで以上に早く、より効率的に、休暇のために家に帰ることができるようになるでしょう。」と話す。
またFAAのSteve Dickson氏は「この技術を導入することで、お客様の旅行体験が向上すると同時に、航空業界のガス排出量も減少でき、双方にメリットがあります。これからもNASAはFAAが持続可能な航空システムを構築するための重要なパートナーであり続けます。」と述べている。
オーランド航空局CEOであるPhil Brown氏はこう話す。「旅行者の皆様がよりスムーズに空港をご利用いただけるよう、新しい技術を活用したアップデートを通して『オーランド・エクスペリエンス』を追求していきます。」
NASA Press Release
