カタールのドーハにあるハマド国際空港(HIA)は、スマート空港プログラムの一環として、革新的なデジタルツイン構想を正式に開始したとのこと。
空港システムの情報を一元管理し、空港運用を最適化
今回導入したデジタルツインは、直感的に操作できる3Dインターフェースが採用され、空港の様子がリアルタイムで提供されるという。この強力な分析エンジンは、複数の空港システムからの情報を統合し、運用を最適化するための優れた提案をしてくれるとのこと。
具体的には、3Dモデリングやデータ解析、人工知能といった技術を組み合わせることで、データ主導型の意思決定をより迅速かつ効率的に実施できるという。デジタルツインは、航空機同士の衝突が起きないよう管理したり、アラートへの効果的な対応を可能にし、重要な空港アセットの健全性をモニタリングするとのこと。さらに、適切なタイミングで適切なデータを効果的に活用することで、リソースを最適化し、アセットが有効に稼働しない時間を最小限に抑えることができるという。
確かな情報やデータをもとに意思決定を実施
空港業界においては、重要な空港運営をサポートするデジタルツインの可能性が以前よりも増して認識されているという。HIAによるデジタルツイン活用は「スマートソリューション・オブ・ザ・イヤー」として認められ、カタールITビジネスアワードで賞を獲得したとのこと。
HIAのテクノロジー&イノベーション部門で上級副社長を務めるSuhail Kadri氏は「ハマド国際空港は、航空業界でパートナーであるSITA社と共同で、デジタルツインを開発し、困難なユースケースを実験する世界でも数少ない空港の1つとして、空港業界の未来を積極的に構築し、効率化の新時代を切り開いています。」と述べている。続けて「この唯一無二の技術は改善され続け、空港内のオペレーションチームが情報を利用していく中で、意思決定を行う方法を根本的に変えていくでしょう。私たちはこの分野で先陣を切り、この画期的な技術の活用を加速させ、最終的には旅客や航空会社パートナー、空港に関わるすべての関係者に利益をもたらすことになるでしょう。」と話す。
デジタルツインが複雑な空港業務を合理化
また、SITA社の中東・アフリカ地域担当責任者であるHani El-Assaad氏は「HIAがスマートソリューション・オブ・ザ・イヤー」を受賞したことに、多くの祝福を贈ります。私たちのデジタルツイン技術がその受賞の一端を担えたことを嬉しく思います。」さらに「多くの関係者、アセット、活動が絡み合う非常に複雑な業務を合理化しようとする空港にとって、デジタルツインは大きな可能性を秘めています。空港のデジタルツインを作成することで、空港で起きているすべてのことを全体像として把握することができるようになりました。これによって、HIAはより多くの情報に基づいた意思決定を行い、運営を改善することができたのです。」と話す。
Hamad International Airport Press Release
コメント