米国ニュージャージー州にあるニューアーク・リバティ国際空港(EWR)は旅客の利便性向上のため生体認証によるセルフ自動搭乗ゲートを試験的に導入。プロジェクトを主導するニューヨーク・ニュージャージー港湾公社は、ハードウェアプロバイダのEASIER社とソフトウェアプロバイダのIdemia社、さらにはセルフ自動搭乗ゲートと出国管理システムを統合したドイツのルフトハンザ航空と提携し、プロジェクトを進めている。
パイロットプログラムは8月末までターミナルBの62番ゲートにて行われ、その後より広い範囲での導入が計画されているという。
通常の手続きであれば旅客は列に並び、係員が搭乗券やパスポートの確認を行うが、今回導入されたシステムでは、旅客の顔データのみで手続きを終えることができる。
EWRの国際線施設スーパーバイザーであるRaymond Viggiano氏は「旅客は自動搭乗ゲートに向かい、生体認証スキャンを行い、搭乗しても問題ありません。ゲートではほとんどやり取りが発生しないのです。」と話す。
生体認証システムは、米国税関・国境警備局(CBP)と連携されており、顔写真の画像を相互に参照することで、搭乗手続きを行う。また、撮影された顔写真はパスポート作成時に登録された顔写真のデータベースと照合される。なお、搭乗ゲートで撮影された顔写真のデータは12時間以内に航空会社によって削除されることになっているという。
Viggiano氏はさらに「すべてのプロセスは数秒以内に完了するほど非常に速く、素晴らしい処理フローと旅客体験となっています。」と述べる。
さらに本システムは、旅客と係員の物理的な接触を減らすこともでき、継続的な感染症対策を実現することにも役に立つほか、これまで搭乗手続きに必要だった係員を別の業務にアサインできるようになったこともViggiano氏は利点として話す。
またViggiano氏は、このプロジェクトにおいて重要なこととして、すべての旅客は生体認証による搭乗手続きを拒否する権利を持っており、従来の方法を選択することができることを強調する。
しかし、これまでのところ生体認証を活用した事例は効果的です。アトランタ国際空港でデルタ航空によって行われたテストでは、同様のシステムによって1フライトあたり約9分も時間を短縮することができたという。
EWRでの検証では、従来のプロセスと比較して生体認証によるプロセスが搭乗スピード(1分あたりの旅客数で測定)がどれくらい短縮されるかを評価するためデータ収集を続けているという。
「私たちは、手荷物の預け入れから保安検査、そして座席に至るまで、お客様の軌跡全体に目を向け、空港での体験を向上する努力をしています。今回の早期の成功を目の当たりにして、生体認証の活用は将来に向かうべき道であると確信しています。」とViggiano氏は述べている。
ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社 News
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