インド洋に浮かぶ小さな国・セーシェル共和国にあるセーシェル国際空港(SEZ)は、スイスに拠点を置くテクノロジー企業であるTravizory Border Security社の生体認証を使ったウォークスルー型の健康チェック機器を世界で初めて導入。SEZを訪れる旅客の健康スクリーニングを非接触で行い、安全な旅行を提供するという。
ウォークスルー型の旅客スキャンはUAEに次いで2番目の導入
旅客が通路を歩くだけでスキャンを行う技術の導入は、UAEのドバイ国際空港に次ぐ2番目の国だという。ドバイ国際空港で導入されたのは生体認証を使って本人確認を行う設備だったのに対し、SEZに今回導入されたのは旅客の健康チェックも同時に行うことができるとのこと。顔認証技術を用いて旅客個人を識別。さらに体温も合わせて計測することができるという。また、渡航認証システムを通して必要書類の提出や渡航許可も確認されるとのこと。
カメラによる照合時間は旅客1名あたり1秒未満
最先端のカメラとAIを搭載した生体認証技術を備え、旅客1名あたり1秒未満で照合が完了。300名を乗せたフルワイドボディ航空機の場合、10分未満でスクリーニングが可能だという。これまで旅客はスマートフォンやQRコードなどを取り出し、提示する必要があったが、本システムの導入によりその行為は不要になったという。また、セーシェル当局のデータベースと統合されており、すべての旅客の判定結果が保健担当者へと通知される仕組みとなっている。その結果に応じて、入国審査または健康チェックや検疫へと案内されるという。
プロセス全体をデジタル化し、旅客により良い体験を提供
セーシェル共和国の運輸大臣であるAntony Derjacques氏は「私たちの目的はすべての入港地で、お客様に比類のない旅行体験を提供することです。このような状況下において、テクノロジーを活用することはこれまで以上に重要となります。テクノロジーの導入が迅速な審査と検査を可能にしました。旅行者だけでなく、旅行中の健康や安全を確保することが何より重要なのです。」と話す。
また、民間航空局の主席秘書官であるAlan Renaud氏は「顔認証による本人確認や健康チェックは今後、より一般的になっていくでしょう。この傾向は各国がリスクを軽減し、人同士の交流を制限しようとする中で加速していくと考えられます。」と述べている。
セーシェル国際空港のCEOであるGarry Albert氏は「セーシェル国際空港はセーシェル共和国の玄関口として重要な役割を担っています。旅客の到着プロセス全体のデジタル化、そしてTravizory社のウォークスルー型生体認証およびヘルスチェックの設置は、新しいものを取り入れ、顧客体験を向上させるという我々の継続的な努力の大きな一歩となりました。5つ星の顧客サービスを達成するための道を切り開く技術であると考えています。」と話している。
Travizory社のCEOであるRenaud Irminger氏は「到着時の旅客スクリーニングを改善するために、セーシェル国際空港に私たちのテクノロジーを導入できることをうれしく思います。この画期的な技術により、既存の健康管理プロセスが完全に見直されます。入国するすべての旅行者にペーパーレス、コンタクトレス体験を提供することができるのです。この生体認証の回廊は、より高い安全性と効率性を保証し、旅客により良い体験を提供します。この美しい島々を訪れる観光客が技術の恩恵を受けられるよう、また健康被害や違法行為から島を守るために、私たちはその役割を担っています。」と述べている。
Travizory Border Security Press Release
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