ギリシャのアテネ国際空港（ATH）は、航空業界を専門とするIT企業であるSITA社が提供する空港管理ソリューションを導入し、空港内のプロセスを大きく改善するととともに、運用とコストの効率化を実現したという。
空港運営データベース（AODB）を空港関係者で共有
SITA社のAirport Managementは、空港運営データベースの情報をエアラインや政府機関、航空ナビゲーションのサービスプロバイダーなど関係者に公開することで、空港の豊富なデータをリアルタイムに共有することができるという。
リアルタイムの情報をもとに地上業務を効率的に計画
イベントのマイルストンが共有されることで、空港関係者は空港内における様々な活動が全体のオペレーションにどのような影響を与えそうかを正確に把握することができるようになるとのこと。例えば、空港オペレーションチームなら、フライトの出発とATHへの到着予定時刻をより正確に把握できるようになるという。これによって、空港の地上業務をより効率的に計画し、駐機場やゲートなどを割り当て、定時性を確保するとともに、遅延を減らすことができるとのこと。
滑走路などエアサイド運営にも活用
また、Web版のアプリケーションを導入したことで、空港スタッフや機器を最適な場所に迅速に配置することができ、業務が完了すればリアルタイムにデータが共有される仕組みとなっているという。さらに航空機のプッシュバック時刻など重要なタスクも計画し、航空管制と連携することで、誘導路や滑走路上での長い待ち時間を削減することも可能になったとのこと。
加えて、ATHではターミナル内に設置されたSITA社のシステムを通じて、旅客にチケット販売カウンター位置から搭乗ゲートまでの徒歩時間など、よくある問い合わせにも対応できるようになっており、旅客の利便性向上と、空港内のスムーズな移動を実現しているという。
ATHの最高業務責任者であるAlexandros Aravanis氏は「SITA社のAirport Managementは、空港運営における様々な側面をより良く管理するために必要なすべてのデータを提供してくれます。これによって、我々は空港の管理方法を見直すことができます。さらに、COVIDに関する課題があったにもかかわらず、SITA社と緊密に協力してソリューションを迅速に導入することができたことで、回復しつつある旅客増加に対応できる強力な態勢を整えることができました。」と述べている。
また、SITA社のヨーロッパ統括責任者であるSergio Colella氏は「我が社のAirport Managementは、空港内のすべての関係者に共通のビューを提供し、より迅速かつ容易で、情報に基づいた意思決定を促進することで、より大きな連携をサポートすることができます。この機能は、パンデミック時や旅客処理が増加に転じた後の両方において、より効率的で持続可能なオペレーションを実現するために不可欠なものになるでしょう。」と話している。
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