長崎県の五島列島は長崎市から西に100kmほどの位置にあり、大小合わせて150を超える島々で構成されている。中でも最も大きな島が福江島だ。五島列島の全人口が7万人に対し、福江島の人口がおよそ4万人と半数以上を占める。五島列島には福江空港、上五島空港、小値賀空港と3つの空港が存在するが、運用されているのは福江空港のみ。残りの2空港は船便の影響もあって運航が停止している。
福江空港は五島市街地からバスで約15分の距離にある。福江港ターミナルも市街地に近く、五島列島の各島を繋ぐ輸送・物流バブとして重要な役割を担っている。1963年に開港した福江空港は2019年に過去最高の旅客者数(約17万人)を記録するなど観光ニーズも徐々に高まりつつある。正式名称は福江空港だが、公募によって決まった「五島つばき空港」という愛称もある。2021年12月の福江空港をレポートする。
空港概要
福江島民の足・福江空港
五島列島のビッグアイランド・福江島を結ぶ空路は福岡と長崎の2つ。これらの路線は観光客だけでなく島民の多くにも利用されている。長崎−福江線は通常片道18,000円程度に対して、島民の場合は片道約6,000円と割引価格で搭乗することができる。時節柄、乗客は十数名程度でそのほとんどが島民であった。離島の空港ターミナルだが、施設や設備はコンパクトにまとまっており困ることはない。ただし2次交通機関は最低限のため、観光客はレンタカーの手配が必須だ。
2022年度から後継機種が順次導入
長崎離島路線を運航するオリエンタルエアブリッジ社によると、現在運航中のボンバルディア式Q200型機が設計寿命を迎えることから、後継機種としてATR社のATR42−600へと更新するとのこと(https://bit.ly/3pFimJB)。座席数は39席から48席へと増加。2022年度から順次受領し、2023年度中に定期便として就航、2025年度からはATR機へと完全移行する予定だという。
*1 国土交通省 空港管理状況調書 令和元年(平成31年度)分
個性的な連絡階段
空港ターミナルビルから航空機へ向かう際にある連絡階段は、異文化情緒あふれる長崎らしくステンドグラス仕様になっている。差し込む太陽が3色の光となって照らされる連絡階段で少し幻想的な空間を楽しめる。他の空港ではあまり見かけないデザインのため福江空港が持つ個性の1つとなっている。