『Airport Report』 マドリード・バラハス空港 ターミナル1,2&3 Sep,2024

Reports

ヨーロッパのイベリア半島にあるスペイン。その首都であり、国内で最も人口の多い都市がマドリードだ。スペインの中央部に位置するマドリードには、空の玄関口であるマドリード・バラハス空港がある。

年間旅客者数は約6,000万人、90近くの航空会社が乗り入れ、200以上の都市を繋ぐスペイン最大の国際空港である。3,000haを超える広大な敷地を有し、4本の滑走路と4つの旅客ターミナルが24時間稼働するヨーロッパでも屈指の混雑空港だ。

4つある旅客ターミナルのうち、ターミナル1〜3は隣り合って建設されており、スターアライアンスおよびスカイチームに加盟する航空会社が主に利用している。建設が最も古いのは現在のターミナル2で、1954年にナショナルターミナルとしてオープン。次いで1971年に現在のターミナル1、1997年にターミナル3の順で建設された。

交通アクセスは地下鉄(8番線)が乗り入れており、ターミナル1-2-3駅が設置されている。また、マドリード市街地にあるアトーチャ駅からはバスが出ており、ターミナル1および2それぞれの停留所に止まる。ターミナル間の移動には無料の連絡バスがあり、日中は5分間隔、深夜・早朝は20分間隔で24時間運行している。

マドリードのバラハス空港と言えばターミナル4の特徴的なデザインを思い浮かべる人が多いかもしれないが、控えめで新旧のデザインが混在する2024年9月のターミナル1,2および3をレポートする。

空港概要

スペイン・マドリード・バラハス空港 -Madrid-Barajas Airport-

横に長いターミナル1-2-3

マドリード・バラハス空港のターミナル1〜3はまさに拡張の歴史を感じさせる。南側にあるターミナルから順にT1→T2→T3と施設名はついているが、建設された順でいうとT2→T1→T3となる。需要に合わせてターミナルを横に拡張するとともに、折を見て施設名を変更してきたことがわかる。

とにかく横に長く、ターミナル1から3の移動距離は1kmにも及ぶ。建物はすべてつながっているため、徒歩で移動することも可能だが、日中は5分間隔で無料のターミナル間連絡バスが運行されているので、利用することをおすすめする。

ターミナル施設は順次アップデート

築20年以上経過したターミナル1〜3だが、古さはあまり感じない。案内サインやチェックインカウンター、保安検査場など旅客との接点となるサービスは刷新されている印象を受ける。

施設に関しても外観はやや時代を感じるデザインだが、内部は明るくきれいに改修されている。企業広告は控えめで掲示物もあまり設置されていないためか、フライト案内や空港内サービスの表示などの視認性が高く、迷うことなく行動できる。

今後ターミナルが1つに統合されるのか、広大な敷地内で別の場所に移設されるのかまだわからないが、ターミナル1〜3が過渡期であることは間違いない。

芸術がある日常

これまで数多くの偉大な芸術家を輩出してきた国・スペイン。特に空港のような公共の場所において、芸術はなくてはならない要素の1つなのだろう。

チェックインカウンター上部の壁面や突如現れるモニュメント、精巧に作られた人の銅像など、旅客を楽しませる芸術を所々で目にする。どの作品もただ置かれているようには見えず、最初からそこにあったかのように空間に溶け込みながらも、その存在を受け手に知らせている。

スペイン人の日常には芸術があり、日々感性が磨かれるからこそ、数多くのアーティスを世に送り出すことができているのかもしれない。

タイトルとURLをコピーしました