英国のバーミンガム空港(BHX)は、保安検査機器の更新に関して、検査機器を提供する業界大手のSmiths Detection社の製品を導入することを合意したという。
バッグに液体物や電子機器を入れたままで検査可能
費用は2,000万ポンド(日本円で約35億円)と言われており、Smiths Detection社のCT X線スキャナー「HI-SCAN 6040 CTiX」が導入されるとのこと。
導入されるCTスキャナーは、高解像度の3D画像を生成し、より迅速で細部まで確認できる手荷物検査と低い誤検知率が特徴だという。また、旅客は液体物や電子機器をバッグに入れたまま検査することが可能になり、安全性が保たれつつ、検査のスピードアップに貢献できるとのこと。
2024年6月以降は英国全土で機内持ち込み制限を緩和
保安検査のセキュリティ強化については、2024年6月までに保安検査のCTスキャナー導入を義務付ける英国の規制変更に伴うもので、2リットルまでの液体物の機内持ち込みを可能にし、電子機器やバッグ内の液体物の処分が不要となることが背景にある。
保安検査オペレーションも継続的に改善
検査機器以外にも導入される新しい設備には、トレイの自動返却システム(iLane)のほか、検査員やビジターの追加検査で使用するX線システムがあるという。さらに、Smiths Detection社からスーパーバイザーとオペレーター向けの対面式トレーニングや5年間のサービスサポートなど包括的なトレーニングプログラムも提供される予定とのこと。
バーミンガム空港の開発・建設ディレクターであるStephen Barker氏は「2024年6月から運用が始まれば、保安検査エリアはセキュリティがさらに強化されるとともに、業務の効率化も実現できるでしょう。これにより、特に混雑ピーク時に、お客様を迅速に対応することが可能になります。また、バッグから液体やノートパソコンを取り出す必要もなくなります。我々がSmiths Detection社を選定した理由は、安全性と効率性を向上させる先端技術の開発における実績と、今後何年にも渡り改善を共に実行できると考えたからです。」と話す。
Smiths Detection社の英国マーケット責任者であるAndy Evripides氏は「バーミンガム空港が保安検査の成果を高め、よりスムーズな旅客体験の実現に向け、最新テクノロジーの導入において私たちを選択してくれたことを嬉しく思います。Smiths Detection社がこの契約を獲得できたのは、最先端の技術ソリューション、コンサルティングを重視した設計プロセス、革新的な5年間のサポートサービス、さらには、当社の技術に容易に統合できる自動リスク検出アルゴリズムなど、将来の技術強化への継続的な取り組みが評価されたと考えています。」と述べている。
Smiths Detection Press Release