カナダにあるトロント・ピアソン国際空港(YYZ)を運営するグレータートロント空港局(GTAA)は、今夏の繁忙期にシームレスで予測可能かつワクワクするような旅客体験をサポートすべく総合的な対策を発表。
技術革新、透明性、人員配置の強化
YYZは、昨年の夏に航空需要の急増を受けて、効率性や清潔さ、旅客体験の向上を目的にプロセス改善、技術革新、人員増強に着手したという。
革新的な技術に投資を行い、旅客がスムーズで快適な空港体験ができるようサポートを強化しており、2023年の夏は下記を実施予定とのこと。
セルフサービス基盤
- 非接触型のチェックインと搭乗手続き
- カナダ国境サービス庁(CBSA)と協働し、生体認証eゲートを導入
- 旧式の機器を最新テクノロジーが搭載された機器に刷新
YYZエクスプレス
- 保安検査の事前予約サービスを拡大し、すべての検査場で予約可能に
デジタルマッピング
- 旅客が空港内を移動しやすいようにデジタルマッピングツールを導入
手荷物処理
- システムの過負荷を予測したり、故障を事前に検出するAIが搭載されたバゲージシステムにアップグレード
- 取得した稼働データから、スタッフの人員配置を最適化し、処理能力は維持しつつ手荷物の渋滞や航空機の遅延を軽減
- イレギュラーな事態に備え、手動で手荷物を処理できる人員の確保
人員配置
- 130名の人材を採用
- バス運行、手荷物処理、ターミナル業務など重要な分野に人員を配置
リアルタイム分析
- 新たな分析ダッシュボードを導入し、旅客の感情指標に関するデータをリアルタイムで把握
リアルタイムデータの提供
- 各チェックポイントの待ち時間をターミナル内と空港ウェブサイトに掲載
スロットアサイン
- 到着便の情報を1時間ごとに共有し、到着旅客を効率的に処理
エアライン計画
- エアライン各社へ運航計画と人員配置の検証を依頼
- 人員計画の管理、混乱、遅延、乗り継ぎミスを防止し、計画通りの実行を支援
パフォーマンスモニタリング
- チェックイン、手荷物預け入れ、ゲート通過、全体の人員配置などの状況をモニタリング
航空機の駐機
- 航空機は原則、12時間以上の駐機を許可しない
滑走路と誘導路
- 照明および電気工事のリスクを軽減し、滑走路と誘導路のCAT IIIを用いた着陸を維持することに重点を置く
上記の取り組みはすでに高い効果を挙げているという。チェックインや搭乗手続きの迅速化、待ち時間の短縮、手荷物のスムーズな取り扱いなど、旅客体験が大幅に改善しているとのこと。
GTAAのCEOであるDeborah Flint氏は「昨夏の混雑対応の反省を生かし、お客様を中心に据えた信頼ある体験を提供するために、プロセス改善やパートナーとの検証を実施してきました。そこで生まれた新たなアプローチには、これまで以上にリソースや透明性、柔軟な計画が組み込まれています。」と話している。
Toronto Pearson International Airport Press Release