スイスに拠点を置く航空専門のテクノロジー企業であるSITA社は、COVID-19以降の国家経済の活性化やセキュリティの強化、旅行体験の向上が求められる中、デジタルビザシステムに対する各国政府の需要が急速に高まっていることを受け、SITA eVisaおよびSITA Electronic Travel Authorization(ETA)を発表。このサービスによって、より安全で簡単、かつ安全な旅行をサポートし、潜在的な経済的利益をもたらすとのこと。
個人のモバイル端末から申請可能
SITA社の新しいeVisaとETAはモバイル機能を備えており、旅行者が事前に個人のデバイスを使用して申請と生体情報の提供を行うことができるという。旅行者は、より複雑な従来のビザや到着時ビザを申請する必要がなく、簡単で便利、かつ時間もかからないとのこと。また、政府は、申請者の身元を生体認証で確認することができるという。さらに、このモバイルアプリを使って、ICAO準拠のデジタルトラベルクレデンシャル(DTC)を作成することも可能だという。
また、SITA社のeVisaおよびETAは、ICAOの可視デジタルシール(VDS)を含むビザを提供できるとのこと。VDSは暗号化されたバーコードのため、VisaやETAが紙または電子媒体であるかどうかをデジタルで認証し、セキュリティと不正防止を強化することができるという。
世界各国の政府は、eVisaやETAのような最新の渡航認証ソリューションに移行している。世界旅行観光協議会(WTTC)によると、従来のビザ(領事館や大使館を経由した申請)は、2008年の77%から2018年には53%に減少しており、渡航におけるデジタルソリューション需要が高まっているとのこと。
eVisa導入により海外からの訪問者数が約20%増加
これらデジタル認証ソリューションがもたらす効果は、セキュリティの向上や行政負担の軽減、旅行の容易化、訪問者の増加、地域経済を活性化する消費の促進、雇用創出などがあるという。事実、ある政府が2014年から2015年にかけて40カ国以上を対象にeVisaスキームを導入したところ、海外からの訪問者数が21%増加、80万人の雇用を創出し、この期間の同国の旅行・観光業の成長において約20%を占めたという話もあるとのこと。
ETA申請の96%が自動システムで正常に処理
SITA社は過去25年以上にわたって国境管理ソリューションを展開。現在では70カ国以上にサービスを提供しているという。1996年には、2000年のシドニーオリンピックのために、ETAシステムを開発。国境を越える大量の観光客を当局が事前に把握できるようにし、入国審査のボトルネックを解消することに焦点を当てたものだったという。
現在、アジア・太平洋地域のある主要政府機関では、SITA社のETAシステムにより、毎年300万件以上のETAが発行され、申請の96%が自動的に認可され、全申請の99%が12時間以内に正常に処理されているという。
SITA社でSITA AT BORDERの責任者を務めるJeremy Springall氏は「eVisaとETAの採用は、国家の繁栄を支えます。私たちは、国境をデジタル化し、将来を見据えながら、世界中のより多くの国々に貢献するため、実績のある堅牢な渡航認証システムをサービス化しました。このソリューションによって、旅客数の増加への対応やセキュリティと効率の向上、旅行者が求めるよりシームレスな旅行体験の提供をサポートし、従来のビザ申請の複雑性を解消できるでしょう。」と述べている。
SITA News Release