フィンランドのヘルシンキ・ヴァンター国際空港(HEL)をはじめ国内の空港を数多く運営するFinavia社はフィンランド国内20空港においてAmadeus社が提供するクラウドベースの空港運営データベース(AODB)ソリューションを導入するという。これによりFinavia社は、全空港においてデータ駆動型オペレーションを実現し、航空会社らとの連携を強化していく狙いがあるとのこと。
AODBを用いて複雑な運営を自動化
空港の運用は非常に複雑な環境で行われる。給油トラックや輸送バス、スタンド、ゲート、グランドハンドリングなどそれぞれのチームはすべて、各航空機の特徴や到着時間、到着した旅客の乗り継ぎに合わせて効率的に割り当てられなければならないという。
このような複雑な運用下のもとで様々な決定を行い、すべての空港関係者が確実に連携を取れるようにするべく、空港はAODBの活用を進めているとのこと。頭脳として機能するAODBは、優れた運用パフォーマンス、定刻出発、リソースの効率的な配分において基盤となるものだという。
すべての空港関係者が最新のフライト情報を瞬時に取得可能
これらの背景から、Finavia社は、HELおよびフィンランド国内にある 19 の地方空港で、 Ame社のクラウドベースAODBを活用することを決定。Finaviaが運営する空港は、航空会社のシステムと緊密に統合された単一のクラウドソリューションを導入し、最適化された空港運営を実現していくとのこと。
AODBの価値は、データ品質と適時性が正比例するという。これまでAODBは航空管制や航空会社から気づいたタイミングでデータを受け取ることが多かったが、今回のソリューションの導入で、Finavia社は航空会社がフライト情報の変更を開始すると、自動的にリアルタイムで更新されるため、精度の高い情報を得られるというメリットがあるという。これにより、空港関係者はリソースをより適切に配分でき、航空会社や旅客のニーズに対応することができるようになるとのこと。
Finavia社のCIOであるLeyla Akgez-Laakso氏は「Finavia社が運営する空港に新しい機能を導入することで、業務効率が大幅に改善され、航空会社と協力して旅客の定時性を向上させることができるでしょう。」と述べている。
また、Amadeus社の空港IT・航空会社オペレーション部門のバイスプレジデントであるYannick Beunardeau氏は「私たちはすでにFinavia社が運営する空港に就航する航空会社の約95%のデータを管理しているため、Finavia社とその関係者に対し、フライトプランや旅客の乗り継ぎに関して正確でリアルタイムなデータへのアクセスを提供できる、唯一のポジションに立っています。この展開は、デジタル変革を目指し、航空会社との緊密な連携を実現しようとする意欲的な空港会社の好例とも言えるでしょう。」と話している。
クラウドベースのサービスのため、あらゆるデバイスからアクセス可能
さらに今回のAODBはクラウドベースとなっており、固定回線やWiFi、モバイル接続などあらゆるデバイスからアクセスできるため、エアサイドで働く地上スタッフは必要なときに最新情報に取得することが可能になるという。また、Finavia社の経営陣は、インターネット接続された様々なデバイスから、グループ全体のオペレーションをリアルタイムで確認することができるという。加えて、ITチームはメンテナンスやオンサイトのハードウェアの数を減らすことができるという利点もあるとのこと。
Amadeus社のAODBソリューションへの切り替えは、すでに進行中で今後1年間をかけて段階的に実施する予定だという。
Amadeus Press Release